14 F ページ50
一糸纏わぬ姿で俺の中に飛び込んできたA。
折れそうなくらい華奢な身体でも、柔らかな感触はやはり女のそれで。
目茶苦茶な誘惑の仕方だと思ったけれど、それに自分もまんまとほだされているのだから笑えない。
ったく、イノシシかよ。
健気で、向こう見ずで、全身全霊で俺にぶつけてくるその青臭い感情が、呆れるほど愛おしくて仕方がなかった。
俺のA。
そう口に出せたらどんなにいいだろう。
お前はずっと俺のものだろ?
俺だけのものだろ?
そう言えたらどんなに...
口に出せない想いは、代わりに激しい衝動となって俺を突き動かす。
俺のキスで感じているAの表情を見ているだけで身体中の血が沸騰していくのが分かる。
そしてその血が一気にある部分に集まっていくのも。
抗うことの出来ない甘美な誘惑。
禁断の果実。
はっと目を開けたAと目が合えば、あまりに扇情的なその眼差しに心臓が波打つ。
その表情を北山にも見せたの?
俺以外の男に感じたの?
強い嫉妬心と子どもじみた対抗心が沸き上がる。
俺の方が好きなんだろ。
ならもっと俺を感じて、俺に感じて、狂うくらい俺を求めろよ。
俺は噛みつくようにキスをしながら、Aの身体を床に押し倒した。
細い手首を頭上で纏めて、白木の床に押さえつけたAの身体は、まるで標本のようで。
蛹から出てきたばかりの、縮れた羽を精一杯伸ばし飛び立とうとしていた美しき蝶を、羽ばたかせる前に捕らえた自分の罪深さは充分自覚している。
こんな男に、お前は捕らわれて...
「太ちゃ...ん」
Aがゆっくりと目を閉じる。
微かに震える長い睫毛に、俺はキスを落とす。
どんな言葉も空々しい気がして、何一つ言葉を紡ぐことが出来なかった。
何かを考えしまったら動けなくなる気がして、ただ想いのままに、衝動のままにAの身体に触れた。
Aの首筋に顔を埋めて舌を這わせる。
ただそれだけの行為でも、身を捩り、必死で唇を噛み締めながらも堪えきれずに、甘い息を吐くAに堪らなく興奮した。
鎖骨を優しく食み、脇の下に舌を捩じ込めば、「んぁっん」と可愛い声を上げ、びっくりした顔をして俺を見つめるA。
俺は構わず、再び脇の下の窪みに舌を這わせた。
今からお前が知らない愛し方でめちゃくちゃ啼かせてやる。
それは北山への嫉妬と対抗心、そして大人な自分の下らないプライドだった。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時