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身体が怠くて仕方がなかった。
生理痛と頭痛の中での体育祭の練習はさすがにしんどくて。
それでも行進くらいは出ようと、校庭を歩いていた時、意識がふっと遠退いた。
ぐらりと身体が揺れたのが分かった。
ああ、まずい、貧血...?
まだ、朝だし熱中症では、ないよね...
そんなことを思ってる内に、視界がブラックアウトした。
*
はっと気づいた時、私の身体は太ちゃんに抱えられていた。
「た...先、生...」
呟けば、私を抱えて歩いていた太ちゃんが、ほっとしたように私を見た。
「良かった、意識あるな?」
「はい」
「脳貧血だろ。取り合えず保健室連れてくから」
「す、すいません」
私はぎゅっと目を瞑った。
太ちゃんの匂い。
太ちゃんの温もり。
太ちゃんの息づかい。
こんなにも近くで太ちゃんを感じられることが嬉しくて、ずっとこのままでいたいと思ってしまった。
保健室のベッドに降ろされると、太ちゃんは養護の先生と何かを話して、
「また来るから」
そう言って出ていってしまった。
養護の先生がすぐに私の熱を計り、熱がないのを確認すると、
「少し横になってたら大丈夫だと思うけど、気持ち悪くなったり、頭痛が酷くなったりしたらすぐ教えてね」
ベッドのカーテンを引いてくれた。
疲れもあったのだろう。
ベッドに横になった私はすぐに眠りに落ちてしまった。
カーテンが揺れ動く些細な音で目が覚める。
目を開けなくてもそれが太ちゃんだとすぐに分かった。
太ちゃんの気配と匂いに泣きたくなった。
私の心をこんなに揺さぶる人は太ちゃんしかいない。
太ちゃんの一挙一動が気になって。
太ちゃんの過去も、今も、未来も気になって。
全てが気になって苦しくて。
私の額に触れる太ちゃんの手。
その手を掴みたい。
離したくない。
ずっと、ずっと傍にいさせて欲しいのに。
その時、眠っているふりをしている私の顔に太ちゃんの吐息がかかる。
え....?
至近距離に感じる太ちゃんの気配に驚いた。
瞬間、
何かが唇に触れた、気がした。
その温かな柔らかい感触は一瞬で。
キス、された...?
分からない。
間違って触れた...だけ...?
「た...いちゃ」
目を開ければ、私に覆い被さるようにして、至近距離で私を見つめていた太ちゃん。
「あっ」
慌てて身を離す太ちゃんの腕を慌てて掴んだ。
「太ちゃんっ」
「...息、してるかって心配で」
歪めた顔を背けて、太ちゃんが小さな声で呟いた。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時