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無事に補講が終わり、二階堂先輩と私は時折北山先輩に勉強を見て貰いながら、部活に、課題にと忙しく夏休みを過ごしていた。
気付けば夏休みも残り僅か。
今日は正式な部活の日ではないので、弓道場には北山先輩と私の2人だけだった。
西陽が射し込む部室で片付けをしていると、北山先輩が入ってきて一緒に片付けを始めてくれた。
「なぁ、A」
「はい」
「俺と付き合わない?」
それが本当にどういう意味か分からず、私は返事が出来なかった。
何処か付き合って欲しい場所があるんだろうか。
だって北山先輩は、林先輩が...
「何で黙っちゃうんだよ」
「だって、あの、北山先輩は林先輩が...」
「別れた」
「え...?」
知らなかった、全然。
驚く私に、北山先輩はちょっと焦ったように、
「あ、別れたのってさ、もう1ヵ月も前だから。自分の気持ちに整理はつけて、ちゃんとお前に、その、交際申し込んでるし、俺...」
「.....」
先輩が、私と付き合いたい?
先輩が、私のことを、好き?
「え、そんなに驚くこと?俺としてはこの1ヵ月、かなり頑張ってたつもりなんだけど」
俺の気持ちなんてとっくに見透かされてると思ったけど。
そう言って苦笑いする北山先輩に、私は首を横に振った。
「本当、Aって真っ新なんだな、まだ」
「先輩、あの、私...」
「俺のこと、嫌い?」
そんな訊き方は狡い。
「嫌いじゃ、ないです」
だけどそれは、尊敬する先輩として、1人の人間として憧れて、好意を持っているって意味で。
そう弁解しようとした私の言葉を遮るように、北山先輩は私を抱きしめた。
力強い腕に、
広い胸に、
日溜まりと汗の匂いに、
男を感じて体温が一気に上がる。
「俺にこうされるの嫌?」
耳元で低く掠れた声で囁かれ、心臓がドクンと跳ねあがった。
「俺に触れられるの嫌?」
今まで嫌だと思ったことは1度もない。
ないけれど。
でもそれは先輩と後輩としての、ただのスキンシップとしてで、
こんなことは想定してなくて。
考えたこともなくて。
「今、嫌だって思ってる?」
北山先輩は狡い。
そんな風に訊かれたら否定するしかない。
「私は、人として先輩を尊敬して...好きで、憧れて...ます」
勇気を振り絞って言えば、
「うん、分かってる。だけどそれに、触れられるのが嫌じゃないが加わったら」
先輩が私の顎を持ち上げた。
「それって恋じゃない?」
先輩の唇が私の唇に触れる。
「好きだよ、A」
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時