3 F ページ31
Aが北山達と帰るのを屋上から見ていた。
どんどん近づく2人の距離。
ほらな、ちゃんと恋、出来るじゃん。
同年代とも恋出来るだろ?
今とっても楽しいだろ?
何もこんなオッサンを選ぶことなんかない。
もう少し見届けたら、俺も覚悟を決めるから。
いい加減、このままではいられないのも分かってる。
辛抱強く待っていてくれる彼女の為にも。
*
「たいぴー」
補講が終わって職員室に戻る途中、後ろから声を掛けられる。
北山の彼女の3年の林愛理だった。
「珍しいな、調べもの?」
「うん、ちょっと図書室に。ねぇたいぴー、これから一緒にお昼食べれる?」
基本的に俺は生徒とはあまり近い距離にならないようにしている。
後で色々面倒くさいことになるのはごめんだからだ。
でもさすがに、生徒が困っている場合はそういうわけにもいかない。
しかも愛理は部活で1年の時から面倒を見ている生徒だ。
「悩み相談?」
「うん...まぁそんなところかな」
「じゃあ誰も来ない場所で食べるか」
「そこっていかがわしいところ?」
愛理が可笑しそうに笑った。
屋上の給水塔の日陰で2人で弁当を広げる。
「愛妻弁当?」
俺の弁当を覗きこむ愛理。
「俺は独身です」
「でも恋人が作ってくれたんでしょ?」
愛理の言葉に返答しないでいると、
「たいぴーは何で結婚しないの?恋人いるんでしょ?独身貴族ってやつ?」
愛理が不思議そうに俺を見る。
「まだ遊んでいたいの?」
「さすがにそれはない」
「ふーん、じゃ、まだ運命の人に出逢ってないってことか」
「お前、意外と可愛いこと言うんだね」
「っさい!」
愛理が俺に背を向けてお弁当を口に運んだ。
「愛理、北山と何かあった?」
愛理の動きが止まる。
「...別れようって言われた」
やっぱり。
「いつ?」
「昨日」
「別れたの?」
「うん、1年の玉森さんのことが好きになったって言うから」
「...」
「あんな美少女、勝ち目ないよね」
「愛理だって可愛いよ」
「誰にでもそういうこと言うたいぴーの言葉なんか信じないし」
「恋する女の子は皆可愛いの」
「オッサン発言」
あはは、と笑う愛理の目には涙が光っていて。
「壊れる時は一瞬だね、恋愛なんて」
どんなに触れあっても。
愛を交わし合っても。
言葉を紡いでも。
愛理が空を見上げる。
「ねぇ、たいぴー、私宏光と同じ大学を希望してたけど、アメリカの大学に行こうと思う」
そして恋が壊れる度、人は成長していく。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時