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夏休み G ページ29

いくら太ちゃんが人気のある先生だと言っても、この学校は都内でも有数の進学校だし、太ちゃん目当てに赤点を取って、補講を受ける生徒なんてさすがに自分くらいだ。

後は本当に勉強不足の子が数名。

地理に至っては暗記科目でもあるせいか、補講者は私と二階堂先輩だけだった。

「Aちゃんいて助かった。たいぴーと1対1なんて怖すぎる」

「藤ヶ谷先生、怖いですか?」

「怖いなんてもんじゃないよ、あの人真性のドSだし」

二階堂先輩が溜め息をついた瞬間、少人数教室のドアが開いて、

「ニカ、100問テスト90点以上になるまで返さねーぞ」

真性ドS男の太ちゃんが二階堂先輩に死刑宣告をしながら入って来た。

何とか3時間余りの勉強で、90点以上を取って先に出所していく私を泣きそうな目で見送る二階堂先輩。

二階堂先輩は午後も数学と古典の補講があるって言ってたけど、部活来れるのかな...

頑張れ、ニカ先輩。

心の中で応援して、私は一足先に弓道場へと向かった。

中では北山先輩がちょうど矢を放ったところだった。

雄々しく美しい残心に、心を鷲掴みにされる。

残心は射の総決算であり、また射手の品位、格調も現れる。

弓道では矢の離れた後の姿勢を残身、残心と言うが、私は北山先輩の射を初めて見た時、特にその残心に感動したのを覚えている。

私にとって北山先輩は太ちゃんのように心揺さぶられる存在だった。

「おう、A、藤ヶ谷からやっと解放されたか?」

私に気付いた北山先輩が近付いて来た。

「ニカは?」

「苦戦中です」

「ま、あいつ午後も補講だしな。そろそろ昼だから一緒に昼飯食わね?」

「は、はい」

今日は正式な部活動の日ではないから、弓道場には私と北山先輩しかいなかった。

2人で食べるとか緊張する。

北山先輩に中庭に連れて行かれ、芝生の上のベンチに並んで腰を掛けた。

お弁当を広げると、

「これ誰が作ったの?」

北山先輩が私のお弁当を指差す。

「自分です」

「へぇ、すげー美味そう」

そう言うや否や、だし巻き玉子をひょいと摘まんで口に放り込む先輩。

「んめーっ」

食べ物を頬張ってもぐもぐしてる顔が凄く可愛くて、つい笑ってしまう。

「先輩は?」

「あー、俺はコンビニのおにぎりよ。飽きてっけど自分で作んのも面倒でさ」

「じゃあ交換します?」

本気にされないだろうと言ってみただけなのに、北山先輩は目を輝かせて、

「まじ?いいの?やった!」

私のお弁当に手を伸ばした。

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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時

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