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中間テストで、赤点を取った私は夏休みの補講者のリストに上がっていた。
どっちにしたって部活に来るから、同じことだと配られたプリントを鞄にしまっていると、珍しく太ちゃんに声をかけられた。
「お前、俺の教科だけ赤点とか、いい度胸してんな」
「予定調和ですから」
「意味違うだろ。夏休み、しごいてやるからな」
ふはっと笑って、太ちゃんが去っていく。
違わないよ。
私の中では予定調和だった。
太ちゃんに拒絶されても、まだ少しでも太ちゃんと関われる、話が出来ると思うと、嬉しくなってしまう私は、一体どれだけ太ちゃんのことが好きなのだろう。
どうしたら、諦められるんだろう。
*
部活の引退式、部長は2年生の二階堂先輩に引き継がれた。
引退しても、北山先輩はいくつかの大会が残っているので、秋まで練習に来るよと笑った。
生徒達の邪魔をしないよう、端の方で引退式に参加していた太ちゃんは、歓談の時間になると、すぐに女の先輩達に囲まれてしまった。
北山先輩の隣には彼女の林先輩がずっと傍にいて談笑していた。
「Aちゃん」
ふいに呼ばれて振り返れば、新部長の二階堂先輩だった。
「Aちゃん、たいぴー先生の補講組でしょ」
「はい...」
「俺も」
「ニカ先輩も?」
「うん、ま、俺は他にもいっぱいだけど」
ここ、笑うべきところ?
「なんで、夏休みも、部活と補講でよろしく」
二階堂先輩がにっと笑った。
「ニカ、お前もうちょっと真面目に勉強しろよ」
いつの間にか二階堂先輩の隣にやって来た北山先輩。
「てかAもかい」
「はい、すいません」
「地理?藤ヶ谷の授業?」
「はい」
「ふーん」
心なしか面白くなさそうな顔。
「地理、そんな苦手なら俺が教えてやろっか、夏休みの間」
「え?いやいや、お忙しい先輩の手を煩わしたくありません、私」
補講もあるし大丈夫です、と断ったのに、
「部活にも来るし、図書室に勉強しにも来るし、おバカなニカの勉強も見てやんなきゃだし、お前もニカと一緒に来い」
半ば強引に北山先輩による『次の期末では100点計画』に、二階堂先輩と一緒に参加させられることになった私。
後ろから私のことをじっと見つめる林先輩の視線が痛かった。
そして、何故か太ちゃんも私のことを見ていたことに気付く。
その視線に気付いた瞬間、逸らされてしまったけれど。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時