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縮まらない距離と、退屈な高校生活に苛々するのと反比例して、私は部活にだけは本気ではまっていった。
太ちゃんは弓道に関しては全くの素人で、適任者がいない為に形式上の顧問をしているだけなので、実質の指導者はほぼ北山先輩が一手に引き受けている状態だった。
「私立だったら外部コーチとか頼めるんだろーけどな。ま、逆に自由にやれていい面あるけど」
そんな風に笑う北山先輩だけれど、大きな負担がかかっていることはさすがの私でも理解る。
なのに愚痴1つ言わない北山先輩。
「ねぇ、玉森さんってもしかして宏光狙いなの?」
部活練習が終わった更衣室で、3年の女子に突然訊かれた私は言葉に詰まった。
「図星?いっつも宏光のこと見てるし、部活のない日も練習熱心アピールしてるもんね」
面倒くさい。
こういう人達は中学の時から一定数いたけど、一番ウザい人種だと思う。
だとしたら何だと言うんだろう。
「だったら、なんですか」
売り言葉に買い言葉。
こういうところが自分の駄目なところなんだろうか。
「残念だけど、宏光には彼女がいるから」
「そうですか」
「やだー、諦めないつもり?」
小バカにしたように嗤う先輩達。
彼女がいるから諦める?
生まれた時からずっと片想いしている人間をバカにしないで欲しい。
「諦めようと思って諦められるくらいなら、最初から好きにならないと思います」
「宏光の彼女、副部長の愛理なんだけど」
私は副部長を見た。
別にそんなこと、どうだっていい。
「周りに言わせて自分だけ部外者面ですか?随分狡い性格してるんですね。彼氏に本性を知られたくないからですか?
まぁ、こんなことするってことは上手くいってないから仕方ないのかもですけど」
自分は涼しい顔で着替えている副部長に苛立ち、吐き捨てるように言った瞬間、
「こいつ超生意気!」
頬を張られた。
当人の代わりに文句を言っていた先輩に。
「部活辞めなよ」
「辞めません!」
私を黙って睨み付けている副部長の林先輩。
北山先輩、趣味悪すぎです!
心の中で毒づいて、私は大きく溜め息をついた。
「A大丈夫?」
クラスメイトで同じ弓道部の優貴が、先輩達がいなくなった後の更衣室で、私の頬を撫でてくれた。
「先輩に楯突いちゃ駄目だよ」
「だってあんな言い方。自分の不安を私にぶつけられても困る」
「そうだけど、でもびっくりした。Aが北山先輩を好きだなんて全然知らなかった」
優貴の言葉に私は苦笑いした。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時