初夏 G ページ22
「A、今日の合コン人数足りなくって」
「行かないからね」
クラスメイトの誘いをすげなく断れば、
「もう!そうは言わずたまには付き合ってよー、友達助けると思って。付属高の金持ちイケメン男子達だし、今日」
「興味ないし」
「Aってもしかして男嫌いなの?」
呆れたようなクラスメイトの顔。
「A、彼氏いないよね」
「あのね、私は弓道の練習がしたいの」
不純な動機で始めた部活は、想像以上に楽しくて、私は弓道の魅力に取り憑かれてた。
弓道着を身につけ、弓を構えた時の、凛と張り詰めた緊張感と、矢が射さった時の爽快感は私を虜にした。
その内流鏑馬もやってみたいと思う程。
「A、そんなんで毎日楽しい?」
クラスメイトはそう言うと、何処かに行ってしまった。
同級生はつまらない。
話す内容も、やっていることも。
休み時間、教室にいても、社会科準備室にいても、職員室にいても、太ちゃんはいつも女の子達に囲まれている。
アイドルみたいに取り囲まれて、ひっきりなしに話かけられて。
太ちゃんは楽しそうに談笑してるけど。
ああ...それで屋上、ね。
女子高生にモテる教師は楽じゃない、のかもしれない。
部活がない日の放課後の自主練習は自由だが、顧問が来ないので、部長の許可を貰い、部室の鍵を借りなければならない。
昼休み、3年の北山先輩の所に許可を貰いに行くと、
「後で俺も行くわ」
と鍵を渡された。
北山先輩は生徒会長で、弓道部の部長で、学内でのアイドル的存在だ。
だから私は先輩女子達の刺さるような視線から逃げるように、急いで1年の校舎へ戻る。
私は弓道がやりたいだけだし!!
何だか最近、何もかも思うようにいかなくて、苛々することばっかりだった。
季節が変わっても太ちゃんも遠いままで、焦りだけが広がっていく。
「はぁ」
ちょっとでも苛々したり、気が散っていると、矢は思うように的には中ってくれない。
「ああ、駄目だ」
礼法からしっかりとやり直し、精神統一を図り直す。
「随分有望な1年が入ってきたと思ったけど、今日は調子わるそーだな」
「北山先輩」
「夏の新人戦に出るんだろ。頑張れ」
「はい」
北山先輩は段位者で、あまり部活動に力を入れていない進学校の部活に所属していながらも、数々の大会で賞を取る程の腕を持っている人だった。
凛とした緊張感のある、美しく隙のない射形にいつも見惚れてしまう。
いつか自分もああなりたいという憧れの人だった。
314人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時