4 F ページ19
ったく、あの授業中のガン見攻撃、何とかなんねーかな。
あいつ、全く授業聞いてねーし。
本当は校内全面禁煙なので、煙草は吸ってはいけないのだが、休憩時間に俺はこっそり立ち入り禁止の屋上で吸っていた。
盲目的な愛、ね。
煙草を咥え、屋上から新宿の高層ビル群を見ながら、あの街で生きていた時のことを思い出す。
好きだったよ。
愛してたよ。
彼女のことを、あの世界ごと、丸ごと、全部愛してた。
高校生だった俺の本気の恋。
結局俺はずっとそこから動けずにいるんだろうか。
女々しいな。
その時だった。
屋上のドアが開く音がして、俺は慌てて給水塔の陰に身を潜めた。
は、嘘だろ?!
授業中だってのに一体誰が来たんだよ...
まさか生徒じゃねーよな。
もしかして見回り?
煙草吸ってんのバレたら確実に怒られる。
そっと吸い殻を携帯灰皿へ入れて胸ポケにしまった瞬間、
「ここにいた!」
給水塔からひょっこり顔を覗かせたのは、
「はぁ、驚かすなって」
にこにこ笑っているAだった。
「今授業中だろ、何でここにいんだよ」
「太ちゃんこそ」
「俺は空き時間なの」
「屋上は立ち入り禁止だよ。ちなみに煙草もね」
「俺を脅す気?」
「うん。でも私のサボりを黙認してくれたら、太ちゃんの悪事も黙認してあげる」
Aが俺の隣に腰を下ろした。
「今何の時間?」
「地学」
「ったく。何で俺がここにいるって分かったんだよ」
「太ちゃんの残り香を辿ってみたの」
「ふざけんなよ」
「本当だもん!」
「お前は犬か」
怒る気も失せて思わず笑ってしまう俺。
違反はお互い様だから、Aに説教出来る立場ではなかったけれど。
「だってこうでもしなきゃ太ちゃん2人きりで話せないんだもん」
言いながら口を尖らせるA。
「じゃあ、生徒指導室に呼んでやろうか?ってお前のこと呼んだらあらぬ噂を立てられそうだわ」
「でしょ、だからここで密会させて」
「それこそバレたらクビだっつーの」
「太ちゃん!!」
あ、スイッチ入った。
俺の胸ぐらを掴むA。
「Aさ、前から思ってたんだけど、若い可愛い女子が男の胸ぐら掴むとかどうかと思うよ」
「え?」
「自覚ない?クラスの男子の胸ぐらも掴んでただろ、この前」
「あ、あれはあいつが色々としつこいからっ」
顔を真っ赤にして、慌てて俺から手を離すA。
「ご、ごめんなさいっ」
「ふは、ははっ、あははっ」
俺はしばらく笑いが止まらなかった。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時