【刀剣乱舞】ﾁｬｱと鳴く鶯に成ったと思ったら女だったんですけど【勘違い】

三十話 ページ32

A視点



此処の主ってモズさんの事だったっけ、と記憶の引き出しをひっかきまわして思い出す。

起きて直ぐのぼんやりした頭の時しか会ってなかったから、正直印象はあやふやだ。

何度も助けて頂いたのに大変申し訳ないとは思っている。でも寝起きだったししょうがない。



つか昨日頼んで今日の昼に届くとか、送料とか掛かる通販で、然も速達で頼んでくれたのか。それも、見ず知らずの他人の為に。

モズさんやばい良い人過ぎ…………イケメンなのに。いやイケメンだからか？



て云うか、それはつまり女性ものの下着とかも頼んだのか…………

二十代の男なのに、態々通販で探してくれたのか。女性ものを。



…………それらについては本当にごめんなさい。同じ男として心底同情します。あと有難う。今女だけど。



俺が心の中で各方面に謝っていると、スパンと云う音と共に襖が開き、「邪魔するぜ」と低音の良い声が聞こえてくる。



こ、この声はー！短刀詐欺と名高い薬研ニキじゃないか！



「よう、包帯巻き直しに来たぜ。旦那は朝餉に行ってきな」


「助かる」


『何から何まで済まない』



俺がそう云うと、其れは言わねぇって約束だぜ、とにかっと笑う薬研ニキがイケメン過ぎて吐きそう。

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