二十八話 ページ30
A視点
夢を見た。
俺は鶯丸ではなく元の姿の少し幼い頃に戻っており、暗く狭い所に居た。
俺は泣き叫び、戸を叩いている。
これは俺のトラウマだ。いや、普通に自業自得だけど。
幼い頃、また兄貴と喧嘩して、(元々ボロボロだった)家の壁を一つぶっ壊したお仕置に物置に入れられた。一晩。
暗いし狭いしで本当に怖かった…………
いや、マジで怖かった。幼い俺にはトラウマものだった。
夜は灯が一切ないから暗くて何処に何が有るかもわからんし、そんな広さも無いから、何かに身体が当たってそれが倒れてくることもあったし。
虫も居たし、埃っぽかったし…………
まぁ泣いたし、何なら漏らしたよね。うん。何かが倒れてくる度怪我するから痛いし。
もうあれ虐待で訴えられると思う。それ位酷かった。いやまぁそれからも懲りずに兄貴と喧嘩する俺も俺だけど。
…………普通に自業自得ですよねー。知ってた。
そんな訳で、俺は閉所恐怖症だ。もうね、閉じ込められるってか扉に鍵掛かってんのが無理。
暫くはトイレも怖かった。今でもちょっと怖い。
で、まぁ、そんなに鮮烈に覚えている物だったら、その時の悪夢を見る時もある。
泣いて叫んでついでに漏らしながら戸を叩く俺。ああ俺可哀想。俺マジで可哀想。
早く目覚めねぇかなとか、ヤバイ怖くなってきたとか、そんな事をぼんやり考えながら夢を見る。
すると、身体を揺さぶられ名前を呼ばれ、俺の意識は浮上する。
「鶯丸!!!起きろ!!!!」
『………大包平、煩い………』
ツンツンとした赤い髪を持った正統派イケメン、大包平が目の前に居た。如何やらこいつが俺を起こしたらしい。
然し、またもや朝からイケメンを見る羽目になるとは…………相も変わらず最悪の目覚めだ。夢も相まって。
俺が寝起きの頭でぼんやりそんな事を考えていると、大包平がどことなく心配そうに、そして安心した様に言う。
「お前、魘されていたぞ。何か夢でも見たのか」
『………何でもないさ。それより』
「何でもない訳があるか!!!自分の顔を見てみろ、酷いぞ」
そう言って鏡を差し出される。
俺はこいつがナチュラルに鏡を持っていることに驚きつつ、体を起こし受け取って顔を見る。
何故か大包平が顔を赤くした。
相変わらず、愛想のない無表情をしている。
が、何と云うか、どことなく元気が無いと云うか、疲れた表情をしている。おまけに汗がびっしょりだ。
581人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リオン♛ - 四十話の仕組み凄いですね❗ (2022年7月28日 9時) (レス) @page43 id: b70e4d72d6 (このIDを非表示/違反報告)
梨の子(プロフ) - 今更ですけど青くして調べるって押したら出てきましたよ!! (2021年7月23日 10時) (レス) id: 52f349caa9 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - 彼岸花さん» あれ?なんででしょう……? (2018年10月24日 16時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 四十話の文字を選択で青くしても見れませんでした… (2018年10月24日 3時) (レス) id: da7e05a086 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - 阿国さん» いえいえ、こちらこそこの作品をご愛読下さり有難う御座います! (2018年10月11日 19時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:豆腐教信者 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年9月15日 19時