十七話 ページ19
A視点
薬研は、「粥食った後の皿と盆は燭台切の旦那が後で回収に来るっつってたぜ。作ったのも燭台切だから礼でも言ってやれよ。じゃ、俺っちはもう行くぜ」と言って去っていた。
何処までもイケメンだった。
俺の精神は大いに傷ついたが、粥が程よい塩気もあってとても美味しかったので回復した。
粥って味も無ければ腹も膨れないから苦手だったけどこれは美味い。流石みったださん。
最後の一口まで美味しくいただいた粥の皿と盆を脇に置き、薬を飲む。
正直薬は嫌いだ。苦いし喉に異物感が残ってどうもなぁ…………
だが、傷口が化膿して地獄見た事は何度かあるので大人しく薬を飲む。子供じゃないしな。
とか言いつつ、薬を苦戦しながら何とか飲み下した俺はぽすっと音を立てて布団に身を投げる。
この身体になってから色々な事が有り過ぎた所為で疲れた。
いや、身体は傷口も痛まないしむしろ元気だが、精神がズタズタだ。
これからあのイケメン共と過ごさなくてはいけないかと考えると泣きたくなる。
…………かと云っても、他に行く当ても無いし、贅沢な悩みだとは自覚しているのだが。
だってイケメンって敵だし…………モブ顔の俺にとっては敵だし…………
いや、今は美女だけど。鶯丸が女体化した美女だけど。
でも精神的になぁ…………すっごい、なんかこう、悲しくなるんだよなぁ…………
顔面は整形でもしなきゃ変えられないし、絶対に勝てないこの感じが悲しくなる。
と、そんな感じの事を十分ぐらい考えたが、結論としては「イケメン滅びろ」だった。
まぁこんな感じの事を考えた時は、大体いつもこんな結論に達するだが。
だってイケメンってだけで優遇される人生が憎いんだもん………しょうがないじゃん………
そんな風にうんうん唸りながら布団をごろごろしていると、急に襖が開いて大包平が息を切らして入って来た。
ぜはぜは言いながら、大包平は何とか言葉を紡ぐ。
「お前、今………何か、魘されていたか………?」
『いや、そんな事は無いが………?
と云うか、言っていたとして何処で聞たんだ?襖に耳でも当てていたのか?』
「違う!!!この部屋に入って来る前の廊下で聞こえた。
………いや、何事も無いなら良いんだ………」
過保護すぎないだろうかこの大包平。
と、そんな時に平野が一声かけてから部屋に入ってくる。
「失礼します、鶯丸様、大包平様」
「邪魔するぜ」
何故か鶴丸を連れて。
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リオン♛ - 四十話の仕組み凄いですね❗ (2022年7月28日 9時) (レス) @page43 id: b70e4d72d6 (このIDを非表示/違反報告)
梨の子(プロフ) - 今更ですけど青くして調べるって押したら出てきましたよ!! (2021年7月23日 10時) (レス) id: 52f349caa9 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - 彼岸花さん» あれ?なんででしょう……? (2018年10月24日 16時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 四十話の文字を選択で青くしても見れませんでした… (2018年10月24日 3時) (レス) id: da7e05a086 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐教信者(サブ垢)(プロフ) - 阿国さん» いえいえ、こちらこそこの作品をご愛読下さり有難う御座います! (2018年10月11日 19時) (レス) id: 787e58ff6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐教信者 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年9月15日 19時