【刀剣乱舞】ﾁｬｱと鳴く鶯に成ったと思ったら女だったんですけど【勘違い】 (ページ2)

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一話ページ2

A視点

青々と生い茂る木々、雄々しく茂る草花、清らかな小川に挟まれて俺は独り呆然と立ち尽くした。

つまり見た事も無い位の山奥で俺は目を覚ました。然も直立不動の状態で。

は？何処だ此処。なんだこれ。てか意味わからんキレそう。つかキレた。

俺は突然の事態に思考停止しながらもそんな暴言を心の中で吐いた。

それから昨日までの日常を思い返した。

ああ、そう云えば今日提出の課題を放置してたな…………とか、そんな他愛も無い事を。

因みに、これらの事を現実逃避とも云う。

そんなこんなで俺が暫く現実逃避をした後、一つ大きな深呼吸をして本格的にこの状況について考え始める。

『…………まず、これが夢かドッキリの可能性。

夢にしては五感とかが割とリアルなので無し。明晰夢の可能性はあるかも。

ドッキリについても無し。知り合いは誰もこんなドッキリはしない』

そして、最悪の可能性を考える。

『これが、ドッキリでも夢でも無く、本当に山に放置されている可能性は…………

あり得ないな』

流石にこれが有り得たら俺は恥も何もなくガチで泣いてしまうので考えないことにした。

然し早速行き詰ったな…………どうしよ。

重苦しい溜息を吐き乍ら軽く辺りを見回すと、眼に入った有り得ないモノ。

俺の胸が大きく膨らんでいる。序に服装も大きく変わって居る事に気が付いた。

…………ん？

余りの意味不明さに俺は思わず服の上から胸を揉んだ。

服は良い物だと素人目で判る程の物で、胸はハリと柔らかさと大きさを兼ね備えた良い胸だった。

そして揉まれた感覚もあったのでこれは本物だという事も分かった。あと股の間のアレの感覚も無くなっていた。

俺は速やかに思考を停止したかったが、寧ろ脳は状況を素早く冷静に理解してしまった。

取り敢えず、理解は出来ても受け入れられない俺は疑問をひたすら口に出した。

『………はぁぁぁぁぁ？？？？？え？は？何？？マジでどういう事？？何？？俺の身に何が起こってんの？？？

………つーか、は？いやもしかして』

俺は小川に駆け寄り、姿を確認する。

流れ揺れ続ける水面は姿を確認しにくかったが、然し、嫌にハッキリと俺の目に映る信じがたい俺の姿。

癖のある腰まで伸ばされた鶯色の髪、金と緑が混ざった色の瞳、美しい中性的な顔立ち。

性別こそ違うものの、俺はその姿に覚えがあった。

今の俺は、刀剣乱舞のキャラクターの一人、鶯丸にそっくりだった。