勘違いが八十八 ページ6
A視点
「ありがとうございます。」
『………それは何に対してのお礼かな？』
「しらばっくれるの上手いですね、………。
……名前なんて言うんですか？」
笑いながら言うホークスに割と頭の中がクエスチョンマークで埋まるが、その後に名前を聞かれたので直ぐそっちに意識が向く。
『名前は特にないよ。あだ名や呼び名なら結構あるけれどね。
シュウカイドウとかウツギとか、一番名前らしいのは凍華かな。
思いつかないのならそれらを使って読んで欲しいし、思い付くのならその名前で呼んで欲しいな。』
そう条件反射で返す。いやでも………え？なんでそんな名前とか聞いてくるの？
何？どうしたの？怒ってた頃の鋭い視線は何処に行ったの？
しかし、私が更なる混乱に誘われている内も話は進む。
「本名が知りたいんですけど。」
『人には名乗りたい名を名乗る権利がある。』
秘儀、全てを誤魔化す笑み！を使う。社会人には必須のスキルである。苦笑いとも言う。
ホークスは其れを見て、腕を組んでじっと私の顔見つめた後に言う。お？また怒りポイント上がった？
「写真撮らせてくれたら誤魔化されます。」
『ああ、ありがと……ううん、やっぱり一言良いかな。何故写真？
いや全然構わないのだけれどね。純粋な疑問なだけで。』
私の頭の中に更に疑問が増える。そして混乱する。何だコイツ。
凄い人の考えることって良く判らないな………いやマジで………
しかしまぁ転生前のぶっさいくな顔ならまだしも、転生後のこの綺麗な顔を写真を撮られる事に不都合はない。
なのでピースの形を作った手を顔の近くまで持ってきて軽く笑い、写真用の顔を作る。
そんな私を見て、ホークスはスマホを構えながら疑問に答える。
「待ち受けにします。」
『待ち受け』
「はい。」
……今のはヒーロージョークなのだろうか。笑うべきところなのだろうか。
私は笑顔のまま固まったが、ホークスは何も言わない私に構わず続けたのできっとジョークだったのだろう。
「じゃあ俺この後予定あるので帰ります。また来ますね。」
『おや、また来るのかい？』
「相談役が居た方が良いって言ったのはアンタじゃ無いですか。
名前はまぁぼちぼち決めときます。」
そう言って、私の返事も聞かずに飛び去って行くホークス。
………こうやって私の平穏は遠のくのか………いや嫌われなかったのに安心感もあるけど。
うーむ複雑。
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スチームパンク - めっちゃ大好きです! (2023年1月19日 15時) (
レス) @page1 id: 7430f2413a (このIDを非表示/違反報告)
鬼雨(プロフ) - このホークスは期待しちゃってもいいのでしょうか……？ (2021年10月13日 0時) (レス) id: cbf1f5bdd9 (このIDを非表示/違反報告)
nene523127(プロフ) - 豆腐教信者さん！お帰りなさい！！ (2019年12月12日 20時) (レス) id: 4d5b6956a8 (このIDを非表示/違反報告)
じぇへな - ちょっと見たら一気見しちゃいました･･･!言葉の使い方とかすごく綺麗で好きです･･･ありがとうございますm(_ _)m (2019年12月10日 21時) (レス) id: 31019885e4 (このIDを非表示/違反報告)
神月紫(プロフ) - この作品、少し立ち寄るだけのつもりが、一気見してしまいました....！すっごく好きです！応援してます！！ (2019年11月5日 21時) (レス) id: aba0c27077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐教信者
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月3日 21時
