検索窓
今日:7 hit、昨日:87 hit、合計:889,259 hit

143 ページ43

.

そして来たる体育祭の日。
Aは朝早くから準備をしていた。それを手伝うのは三ツ谷。

「こんな時間に来てもらっちゃってごめんね…」
「俺がやりたかったんだからいーんだよ、ほら前向いてろ?」
「はあーい」


鏡の前に座るAの髪を後ろから弄る三ツ谷。右手に熱したコテを持っている。机の上にはさまざまな道具がずらりと並ぶ。


「とびっきり可愛くしてやるから任せろ」
「やったー!お願いしまーす!」


クルクル、と器用に髪を巻いていく三ツ谷。そして数十分後、Aのヘアスタイルはまるで何処かのアイドルかのようなアレンジをされていた。



「はい、終わり。見てみ?」
「え…髪の毛可愛すぎる!タカちゃん天才ありがとー!!」
「褒めすぎだって、最後にスタイリング剤塗ろうなー」

リボンやパールで装飾され、華やかに巻かれた髪の毛。三ツ谷が此処最近で1番気合を入れた出来事だった。三ツ谷はじっくりとAの髪を見つめ、満足気に笑った。

「今日のA、天才級に可愛いよ」
「ほんと?体育祭で1人優勝しちゃうかもなあ」
「余裕で大優勝だな」


三ツ谷は優越感に浸っていた。今日のAを創り上げたという事実が三ツ谷の胸を満たしていく。
更にこのあと、応援合戦では三ツ谷が監修した衣装を着たAが踊る。

その様子を見たアイツらはどんな顔をするのだろう、と三ツ谷は意地悪いことを考えていたが、Aに気づかれないよう人当たりの良い、優しい笑みを浮かべる。


「タカちゃん、Aを可愛くしてくれる天才…!」
「いやいや、何言ってんだよ。Aが元からカワイーから俺もやる気出んだって!」
「…それは褒めてる?」
「めっちゃ褒めてんだけど」
「なら良かった!折角だし朝ごはん一緒に食べよ、タカちゃん」


Aが玉子焼き焼いてあげる!と笑うAを見て、三ツ谷は胸がぎゅん、となった気がした。

144→←142



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (672 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2610人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まる(プロフ) - ドンさん» 応援していただけて嬉しいです( ; ; )更新頑張りますので今後ともよろしくお願いします…! (2021年10月5日 21時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - まるさん» 分かりました、更新頑張ってください応援してます! (2021年10月5日 19時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ドンさん» コメントありがとうございます!夢主は自己投影して頂ければ嬉しいです…(^^) (2021年10月3日 20時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年10月2日 12時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 癒し系猫さん» 恥ずかしい( ; ; )変換ミスです💧教えてくださりありがとうございます( ; ; ) (2021年10月1日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まる | 作成日時:2021年9月25日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。