天罰 ページ35
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「行けなかった……」
私はベッドの上で頭を抱えながら小さく呟く。
マルコさんの、お見送りに行こうとしたのに体が動かなかった。
時計を見ると、マルコさんが出港する時間は既に過ぎていた。
「はぁ……」
昨日の夜、家に帰ってからずっと溜息ばかりが溢れる。
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⦅……すまねェ。今のこと全部、
忘れてくれ。 ⦆
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なんで、急にあんな事を言ったんだろう……
私の事嫌いになったのかな。
家まで送ってくれた時も、いつものマルコさんじゃなかった。
「って、ダメダメ。」
私、何考えてんだ。
人に、恋愛感情なんか抱いたらダメなんだ。
小さい頃から母から教訓のように教えられてきたじゃないか。
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⦅あなたは寿命の違う、人間なんかを好きになってはダメよ。
どうせ、人間は鬼である私達を置いて先に逝ってしまうのだから。
残された私達の気持ちなんて……
分かるはずもないわよね。⦆
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マルコさんの事が好きだということは、本当は伝えてはいけないことだったんだ。
きっとこれは天罰。
今まで少し優しくされてたからって、浮かれて調子に乗った罰なんだ。
「よし。」
これからは、少し距離を置こう。
私の自分勝手な行動だと分かってるけど、後戻り出来なくなる前に……
バンッ!!!バンバンッ!!!!
「!!?」
乾いた銃声のような音が窓の外から聞こえてくる。
私は飛び起き、窓の外を見る。
「……え、なに、あれ。」
村と海岸を繋ぐ洞窟の前に、ざっと二十人くらいの人達が道を塞ぐように立っていた。
列の後方で海賊旗のような旗を持っている。
「海賊……」
私はベッドから飛び降り、すぐさま洞窟の方へと向かう。
今分かることは一つ。
この海賊達は……
悪い海賊。
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文ストオタクの一般人 - うん!ふたりとも可愛いね!私が貰いたいぐr(((マルコ (2023年3月16日 18時) (レス) @page50 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - 桜桃さん» はい、ごめんなさい。妖精姫の物語シリーズはいろいろ考えた末に消させて貰いました。温かい応援ありがとうございました。またいつか少し変えて書き直せたらいいな、と思っているので、いつか。機会がまたあればぜひお願いします。 (2019年12月3日 18時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
チュロス - yaさん» いえいえ、ありがとうございます!!!!結構前に完結したのに、読んでくれてる人がいて嬉しいです!!ヽ(;▽;)ノ 鼻水!?yaさんの鼻水はきっと綺麗です……!!!笑 (2019年12月3日 18時) (レス) id: 5b28331b1d (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - 妖精姫の物語という作品は削除なさったのですか?また見れるのを楽しみに待ってます。 (2019年12月3日 18時) (レス) id: f53004e46c (このIDを非表示/違反報告)
ya - 今更ですが、完結おめでとうございます。泣きまくって鼻水ダラダラです。(きたな) (2019年12月3日 1時) (レス) id: 890b8aa433 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チュロス | 作成日時:2019年9月9日 17時