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顔を上げて反論しようとした瞬間、ゾムくんの反対側から肩を抱き寄せられる。
「えっ」戸惑いを隠すことなく吐したのはゾムくんだ、わたしを抱き寄せた彼──トントンに顔を向けると、何事も無いような表情で首を傾げている。
「なあ、とんとん〜…」
「おいゾムぅ、お前Aとシャオさんで遊ぶなや。Aが困惑してるのももちろんやけどな、試合に余裕あるシャオさんから飛んでくる視線に気付いてないとは言わせないぜ？おん？」
「…き、きき、きづかなかっためう〜！」
「嘘付きは生徒会室に拘束して缶詰コースなんですが。」
「あっ、いやぁ〜！すんませんほんと！！失礼します！ちっす！」
トントンに擦り寄るゾムくんの声はまるで、おもちゃを取り上げられた子供のそれだった。
そんなゾムくんを見ながら、当然のように溜め息を吐き、それを一蹴したトントンはいつも通りであった。けれど、顔色を伺い、冷や汗を掻きながらも早々にその場を退散したゾムくんには「賢明だ」と拍手を送りたい。
トントンの顔を見上げる。
少しばかりの不機嫌が滲む表情は、きっと、幼馴染みのわたしでなければ気付かないほど自然だ。否、自然を取り繕っている。
生憎、理由は解らないのだが、触らぬ神になんとやら。わたしはふたたびシャオロンくんに視線を戻す。
わたしは一体、どれだけの間ぼうっとしていたのだろうか？トントンとゾムに構われている間に試合はもう直ぐ終わり、という局面まで来ていた。
相手選手が打ったボールをシャオロンくんと他部員が追う、シャオロンくんが伸ばしたグローブが確かにボールを掴む……と、思ったその時。
先輩か、後輩か、はたまた同級生か。
シャオロンくんと共にボールを追っていた部員が、確かにシャオロンくんの足を掛けた。
それなりの速さで走っていたシャオロンくんは当然、その場で無様に転ぶ。グローブを掠めたボールは掴まれることなく、遠くの方へ転がってゆく。
痛々しい情景に観客席から軽い悲鳴が上がった。
あの現場が、隣に居る彼らには見えていなかったのだろう。皆が皆心配そうに顔を歪めている。
足を掛けた彼がボールを拾い、他の部員の方へ投げる。失点はあれど、確実に開いた点差で此方の勝利は決まっていた。
けれど、砂塗れになりながら立ち上がったシャオロンくんの顔は、悔しさから随分と酷く歪められている。
燃ゆる瞳が小さく揺らいで、それを無理矢理拭う仕草に、わたしは何処か見覚えがあった。
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。ﾏﾙ(プロフ) - 星空さん» コメントありがとうございます◎わ〜とてもうれしいです！たくさんきゅんを摂取していってくださいね！ゆっくりにはなりますが、更新の方頑張りますので、ゆるっと応援お願いします。 (2020年8月20日 6時) (
レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - もうめっちゃ心臓がキュンってします……！！好きですありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))私もこんな青春したい(´；ω；｀)この小説でドキドキ摂取してます(？)これからも無理せずに更新頑張ってください！応援してます！ (2020年8月19日 3時) (レス) id: df42e0e9d5 (このIDを非表示/違反報告)
。ﾏﾙ(プロフ) - デデドン！さん» コメントありがとうございます◎ゆるゆるになりますがこれからもがんばります…！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
。ﾏﾙ(プロフ) - トドルゴンさん» コメントありがとうございます◎ほんとうですかうれしいです〜！(T . T)きっと心臓きゅって掴んだまま離しません！どうか引き続きよろしくお願いします。 (2020年8月13日 22時) (レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
デデドン！ - めちゃくちゃ文が綺麗で好きです、、これからも頑張ってください！ちゅっ！！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 2c8648c87a (このIDを非表示/違反報告)
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