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あの日、図書室の前でグルッペンさんを揶揄ってからというもの、わたしの機嫌はすこぶる良かった。
それはもう、わたしが参加を希望した夏期講習の最終日…。もとい、登校日の四日前になっていたことなんて、全く気が付かないほどに。
「そういえば明日野球部の試合やんな。なんか甲子園出たことあるような強豪校がはるばるお相手してくれるらしいで？シャオロンも出る言うとったけど、応援とかいくん？」
「あ、」
「あ？」
「わ、すれてた…わけじゃないんだよ、うん。違くて、えっ、ゾムくんどうしよう。」
校舎外にある自動販売機の下は木陰になっていて、吹き抜ける風が涼しげに髪を揺らす。
とはいえ、お天道様はいつだって意地悪だ。
部活動を頑張るシャオロンくんのことも、最終日にも関わらず講習をまるまるサボっているわたしとゾムくんのことも、例えば総理大臣や囚人だって。
誰ひとりとして贔屓することなく、容赦なく照りつけるのだから。
焦ったわたしの手から、買ったばかりのサイダーが滑り落ちた。
コンクリートの地面に滲んでいくサイダーは、まるで誰かの心を形容しているかのようだ。
例えば少女漫画の中で幼馴染みに恋をする女の子。
例えば、シャオロンくんをすきになったわたし。
「え、え、ぁ、ちょいちょい、お嬢さん？サイダーが」
「……やっちゃった。」
「え、えぇ〜…。」
……誰かが走ってくる音が聞こえた。
確かに近付く足音の方に目線をやると「あれっ？」そう呟きながら汗を拭うシャオロンくんの姿。
頬を伝う水滴は、額ではなくどこか違うところから流れているような気がしたけれど、こんなところで聞けるほどわたしの神経も図太くはないのだ。
「なにしてん…の、え？なにしてん？サイダー落としたんどっち？マジでウケる。」
「…A。」
「っふは！だーと思ったわ！」
いつもの調子で笑うシャオロンくんは、自動販売機に向き合う。
後ろ姿が寂しいそうで、わたしのものでもないのに、どこか逃げ出してしまうのではないかと無性に不安になる。
思わず、シャオロンくんのユニフォームを掴んで小さく呟いた。
「シャオロンくんのこと考えてて、ぼうっとしてたわたしが落としたんだよ。」
驚いたように肩を震わせ、振り向いたシャオロンくんの頬はほんのりと赤く、困ったような笑顔が愛おしかった。
「ばーか、からかうな！」
シャオロンくんの手によって額に押し付けられたのは、はちみつレモン水。
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。ﾏﾙ(プロフ) - 星空さん» コメントありがとうございます◎わ〜とてもうれしいです！たくさんきゅんを摂取していってくださいね！ゆっくりにはなりますが、更新の方頑張りますので、ゆるっと応援お願いします。 (2020年8月20日 6時) (
レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - もうめっちゃ心臓がキュンってします……！！好きですありがとうございます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))私もこんな青春したい(´；ω；｀)この小説でドキドキ摂取してます(？)これからも無理せずに更新頑張ってください！応援してます！ (2020年8月19日 3時) (レス) id: df42e0e9d5 (このIDを非表示/違反報告)
。ﾏﾙ(プロフ) - デデドン！さん» コメントありがとうございます◎ゆるゆるになりますがこれからもがんばります…！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
。ﾏﾙ(プロフ) - トドルゴンさん» コメントありがとうございます◎ほんとうですかうれしいです〜！(T . T)きっと心臓きゅって掴んだまま離しません！どうか引き続きよろしくお願いします。 (2020年8月13日 22時) (レス) id: 67fc3fdd24 (このIDを非表示/違反報告)
デデドン！ - めちゃくちゃ文が綺麗で好きです、、これからも頑張ってください！ちゅっ！！ (2020年8月13日 21時) (レス) id: 2c8648c87a (このIDを非表示/違反報告)
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