プロローグ ページ1
“侍の国”
そう呼ばれていたのは、今は昔の話…
かつて侍達が仰ぎ、夢を馳せた江戸の空には
今は、異郷の舟が飛び交う
かつて侍達が肩で風を切り、歩いた街には
今は、異人がふんぞり返って歩く
剣も地位も奪われ、侍は…誇りも居場所も失った
それでも生きようと足掻く彼らに、最大の脅威が降りかかる
江戸の空は曇天に覆われて空気は淀み、血と硝煙のにおいが鼻をつく
歩く地面には屍と血の海ができ、街は崩壊し瓦礫の岩場と化している
そんな場所で、まだ…まだだと走り続ける彼はこそ……
…侍
そんな中、彼らの中心的な人物が…今、血の海に沈み赤を溢れさせていた
白の強い銀色の髪が自身の目と同じ色である血に染まるのを横目に、自分と似た容姿の男の切羽詰まった顔に…女は柄にもないと弱々しく微笑んだ
『……もう…』
「諦めんじゃねェ!!勝手に…勝手に死のうとすんじゃねェよ!!」
『…バカ…お前こそ、俺に…構うなよ』
「ふざけんな!とりあえずどっか安全なとこにッ…!!」
『安全…あるかよ、そんな、とこ…ゴホッ!』
傷つき倒れているのは一人二人だけではない…それが、今の現状だ
女は男の服をギュッと掴み、目を合わせさせる
『死に、かけてんのは、俺だけじゃ…ねェんだ!これ以上、俺みてェなヤツ、増やしたくねェ…なら!さっさと行け!!』
「っ…お前は…」
『……悪ィけど、もう…動けそうに、ねェから…そこで、リタイアするわ
だからよ…っ……先生を、助けてくれ…頼む』
「助けるっ…つったって…!!」
『今は何も、考えんな…ただ…救えばいい
その剣が、届く場所は…俺達の、国…だろ?』
「っ…!!ぁ、ああ…」
『わかったら、行け…すぐに、来たり、したら…ぶっ飛ばす、から…ッ
お盆に、化けて出る、場所…驚かす、仲間…壊されんな、よな…』
「ハッ…勘弁しろよ」
女が微笑み、男もぎこちなく微笑む…
女はそんな男のつり上がった頬を手で触れ、一筋の涙を流す
『……俺達の、国…壊させ、ない…で…』
それを最期に、力を無くした腕は地に落ちる
男はそんな女のまだ暖かい手をまた頬に当て、一筋の涙をこぼすと…女に背を向けて走る
侍として生き、
侍としての最期を迎えた…
そしてその女…坂田Aは…
新たな生を受け、再び侍として生きる
そう、全く別の世界で…
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十六夜☆(プロフ) - モエナさん» コメントありがとうございます!メガティブになってた所を修正しました。教えて下さりありがとうございます! (2018年6月18日 12時) (レス) id: daaab74543 (このIDを非表示/違反報告)
モエナ(プロフ) - 銀魂とリボーンのコラボ好きです!応援してます!後、標的6の最後辺りのネガティブがメガティブになってます。気になったのでコメントさせて頂きました! (2018年6月17日 18時) (レス) id: 108ca69897 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 銀魂とリボーンの作品が大好きで、凄く嬉しい作品です。雲雀さんカッコいい!!これからも無理せず更新頑張ってくださいね応援します。 (2018年6月10日 17時) (レス) id: 673ec4ec31 (このIDを非表示/違反報告)
尾崎紅葉 - 銀魂きたーーーーーー!!!!!!!!!!!これからどうなるのかが楽しみです!更新頑張ってください! (2018年6月9日 16時) (レス) id: f02ea9a8e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2018年6月9日 13時