He 21 ページ45
.
落ち着かないまま
どうにか一日をやり過ごして、
仕事を終えると全速でAの部屋に走った。
財布の奥に大切にしまってあるはずの合鍵を
急いで取り出そうとして、…気付く。
「鍵じゃ、ない…」
いつの間に? 何で?
押し込んでたはずの合鍵は忽然と消えて、
その代わりに小さな包みが入ってる。
開くと、丁寧に包まれたクロスのピアス…
包み紙は綺麗な字で埋まっていた。
《 玲於
早いかな、遅くなったかな。
22歳のお誕生日プレゼントです。
このピアスのお返しも兼ねて、ね。
気に入ってくれると嬉しいです。
側に居させてくれてありがとう。
お仕事頑張ってね。
ずっと応援してるよ。
A 》
「何だコレ…。
…まさか、終わっちゃった?」
怒りに任せて電話もLINEもしてなかった。
繋がらなかったら俺、どうしたら…
…電話するのが…怖い
_PuPuPuPu…
《お掛けになった電話番号は………》
「…は、」
心臓がずっと痛ぇ…
異常な心拍数になってるのが自分で分かる。
「…どこに…」
_あの時みたいだ。
何にも出来なかった子供の俺みたいだ。
…あ、
急いで、空っぽの頭のままタクシーを拾う。
.
…たどり着いた、Aの実家。
夏の夜、寒くもないのに指先が震える…
やっとの思いでインターホンを押した。
父「…ちょっと、早かったね…来るの。
どうぞ、Aは居ないけど、入って。」
「…居ない…。」
落ちた肩をそっと支えられながら
扉の中に招かれた。
.
「あの…、」
聞きたい事は山ほどあって、
だけど一つも言葉にならない。
ただ、テーブルを挟んで向き合ってる。
…俺、何してんだ?
先に切り出してくれたのはお父さんだった。
父「…佐野君、君らはまだツアー中だよね。
…ツアーを終えたら、君のボスに聞いてごらん。
今はまだ、待ってくれてる人達の為に、
最高のパフォーマンスをしなきゃならない。
……Aの事は、考えないようにしなさい。」
何…、HIROさんが何か知ってる…?
いや、でも、そんなのどーでもいい。
…会いたいんだ。
「…無理、ですよ。俺には無理です…
どこに居ますか?…会いたいんです。」
.
885人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時