守りたいもの 10 ページ40
ケ「どうぞ。」
タクシーが停まったのは
ケンゴさんの勤めるショップだった。
『……。』
空耳のよう…。ケンゴさんの口が動いてる。
"騒ぐのは得策じゃないよ"
"大人しくしてたら怖くないから"
ケ「僕のデザイン、佐野君好みでしょ？」
灯りが点された店内には、
確かに玲於好みのアイテムが並ぶ。
ケ「まさか、僕との話を
バカ正直に彼に言うとは思わなかったよ。
カオルさんは予想を越えてくる！
…あ〜、これも似合う！可愛いなぁ…。」
ケンゴさんは独り言のように話しながら
突っ立った私の体に次々服を当てている。
ケ「…写真、信じてないでしょ。」
覗き込むように私を見る。
『信じてません。
…帰らせて。連絡しないと心配す…、』
ケ「ああ！ツアーに出たもんね、彼。」
…何でも知ってる。
玲於が来られない事も計算ずく。
『私、もうこちらのメーカーさんとは
関係ないはずです。…何が目的？』
ケンゴさんは笑って私の頭を軽く撫でると
レジカウンターの内側で機材を操作し出す。
フッと照明が落ちる。
『……っあ！！』
パッと照らされた店舗の白い壁。
私と玲於が抱き合ってキスする姿が
プロジェクターで大きく投影された。
ケ「…幸せそー。」
『いやっ、やめて！』
思わず、隠そうと立ち塞がる。
ケ「ほら、本当！」
…そして店内が一気に暗くなった。
ケ「…別に、今これを世間に出そうなんて
思ってないよ。出したら逆に自分が危ない。
…でも、この仕事辞めちゃう覚悟があれば、
出したって構わないよね。
…それくらい、…カオルさんは魅力的だ。」
ゆっくり、ケンゴさんが近づいてくる。
ケ「…圭って、知ってるでしょ？
あいつね、僕の嫁の弟。
…聞いたよ、カオルさんの事。
たった一回会っただけなのに君にハマってた。
綺麗で、純情で、ガード固くて、ヤバいって。
ポスターが出た時に、圭、すごい喜んでさ…
頼まれたよ。…君を手に入れたいって。」
ケンゴさんが私の身体を抱き寄せる。
ケ「面白半分で協力し始めた、
…でも、やめた。
あの日直接会って、欲しくなった。僕も。
データはこの１枚。でも十分でしょ？」
絶望的な気持ちで固まってしまった私は
瞼を閉じることすら出来ないまま立ち竦む。
…次の瞬間、ケンゴさんの唇の温度を感じた。
.
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しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな？と思ってます！ (2021年10月25日 4時) (
レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ！やっぱり何度読ませて頂いても泣ける｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡本当に好きです！ (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ！楽しみましょう！続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは！"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁ | 作成日時：2018年1月11日 22時
