儚く、甘く、…繋ぐ。【5】［Reo.S］

守りたいもの 5 ページ35

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ふわり、浮き上がる感覚…

まだ暗い中、深くて短い熟睡から目覚める。


時間を確認すると、午前4時。


『私って、簡単すぎる…。ふふっ。』



睡眠時間は短いのに、心も身体も十分に

満たされたからか、驚く程目覚めが良かった。



『…はぁ。ちゃんと、本物だ…』



…会いたかったよ、玲於。



隣に眠る愛しいぬくもりを起こさないように、

そっと髪に触れて…、…そっと唇に触れた。



「……まだ、足りない…？」

『きゃっ！やだぁ！』



急にぐるんと回転した私の身体の下で

いつの間にか起きていた玲於が意地悪に笑う…


私の脚は玲於の脚を使ってグイッと開かれて、

勢いのまま玲於に跨がって、被さる形に。



「眠って回復したから、俺まだできるよ！」


…凄い可愛い笑顔で凄いコト言ってる。


『大丈夫っ！…もう、十分だから。』

「…ちぇっ。…遠慮要らないのに。」


玲於は子供みたいに唇を尖らせて拗ねる。


『遠慮してない。もう私が無理。』

「…まぁ、久しぶりだからね。Aちゃんは
身体が鈍ってたかな〜？」


からかうようにふざけながらも、

私の事を全身で包み込むように

ぎゅっと抱き締めてくれる。



「…ね、Aさ…、会えない間、大学とかで、
…変な男にふらふらしてなかった？」


いつもより少し自信なさげな小さな声。

…可愛い。

…でもさ…


『…いつも通り、私はお利口にしてたよ。
それを言うなら玲於でしょ？
私、…インスタも見たし、…噂話も聞いたよ、
色んな所で色んな人と色んな交流してるって。
…ね、綺麗な女性達とも楽しそうだったし。』


「…え〜、何それ。そんなのさ、
大抵は仕事だよ。付き合いだって。
何…？珍しく、ヤキモチ？」



私の顔を覗き込んで得意気に笑う玲於。


その無邪気な笑顔が何故かちくんと胸を刺す。



さらっと発せられた、大抵は、という単語を

私の耳は聞き溢してくれなかった。



いつも通り言い当てられた事への悔しさと、

…今まで、感じた事の無い苦しさを感じる。



…なぜ？



曖昧に歪んだ表情を見られたくない。

…玲於の目を掌で覆った。



「ヤキモチ顔が見えないじゃん！」


『妬いてないよーだ。』



悟られないようにふざけながら、

玲於の首元に自分の顔を押し付けて隠した。


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