守りたいもの 4 ページ34
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…結局、メンディーさんには申し訳ないけど
また、ろくにお話せずにあのまま帰った。
私は、…タクシーの中でも我慢出来なかった。
早く側に、もっと近くにいたい。
少しの隙間も嫌で、ぴったりと寄り添う。
…そして運転手さんに見つからないように、
玲於の服の中に手を忍ばせて、素肌に触れた。
「え…」
玲於は驚いて少し声を漏らしたけど、
私は我慢できずに夢中で掌を這わす。
ぎゅっと拳を握って耐えているのが可愛くて、
もたれ掛かるふりをしながら抱き着いたり、
首筋や耳たぶにキスしたりもした。
初めは怒ったようにじろりと睨まれたけど、
玲於は私の顔を見ると苦笑いしながら
"分かったよ"って囁いて、肩を抱いてくれた。
_そして、
エレベーターに乗り込むとすぐに、
…ちゃんと私を導いてくれた。
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玄関からベッドまで、点々と衣服が続く。
射し込む月の明かりがふたりの影を作る。
飢えを満たすみたいに、ただひたすらに…
わたしたちは日付が替わっても行為に耽る。
『…れお、もっと、ほしい…』
「…あげる。いいコには、…たくさんあげる。
A、可愛いよ…、俺も、欲しいよ…
我慢させてごめん…、たくさん、あげる…」
また一回りも二回りも太くなった逞しい腕は
何度も私を持ち上げて抱き上げて抱き締める。
厚くなった胸板はお互いの隙間をぴったりと
塞いで、しっかり私を受け止めてくれる。
様々な音がこの部屋を満たしている。
甘くて妖しくて愛しい空気に満たされている。
彼に"溶けたい"とはいつも思うけれど、
今夜は溶かして自分の一部にしたいと感じた。
繋げられる全てを繋いでも、まだもっと…
私の中に深く潜って、こんなにも玲於で
いっぱいになってる事を見てきて欲しい。
「大丈夫、俺もだから。」
『…わたし、言ってた…?』
「そんな夢中? かわいー…」
たくさん落とされるキスが気持ちいい。
…だけど、だんだん意識が朦朧とする…。
甘い怠さが微睡みを連れてくる。
「…ふっ。眠っていいよ。ほら、抱っこね…。
ちょっと枕が高くって寝にくいかもだけど。」
『…あったかい…、玲於、すき…』
「俺も、すき…」
ふたりで笑い合って、幸せな眠りに落ちる。
玲於の胸の音が、私の一番好きな音。
世界で一番愛しい音。
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しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時