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守りたいもの 3 ページ33

『…二人で?』


白濱先輩は深く頷いた。


亜嵐「二人は、おんなじ気持ちでしょ?
いつもお互いが自分の事より、
…"相手のために"って。
ククッ、…大抵は、空回りしてっけど。
玲於なんか特にね。
でもさ、だから周りもそんな二人に惹かれる。
多分、…そんな風に想われたい、って思って。」


『…先輩…。』


亜嵐「…俺は、想ってくれる人に逢えた。
Aちゃんへの気持ちごと包み込んで、
ゆっくり向き合ってくれて。…気が付いたらさ、
俺の中で一番大切な人になってた。
…だから今は全力で、彼女を好きだよ。
俺、二人が大切だから…、支えるよ。」


白濱先輩の優しい声に涙腺が緩む。


『…早く、玲於に会いたいな…』


亜嵐「おっ!素直!
…素直なAちゃんにはご褒美あげる。
もうちょっとだけ、ここで待ってて!」



先輩はそう言うと、下手くそなウインクをして

颯爽と人混みの中へ消えて行った。


『…あ、あの人、』


その輪の中から入れ替わるように

ニコニコしながら近づいて来る大きな人…



メン「こんばんは!カオルさんっ!」


『こんばんは。メンディーさん。
先日は、ろくにご挨拶も出来なくて、
すみませんでしたっ。』


メン「いいよいいよ、気にしないでー。
会えて嬉しいなぁ。今日はお話しようね!」


『いや、本当にあの時は失礼しました…』


メンディーさんは想像以上に優しそう…


…でもだからこそ、立って丁寧にお辞儀をした。


玲於が一緒にいる事が一番多いみたいだし、

何かいつも…苛めてるみたいに見えてるし。


少しお詫びの気持ちも込めて長く頭を下げる。



「…おい、要らねぇよ、メンさんにそんなの。」



…っ、えっ!?



声のした方向に顔だけ向けると、

私の座っていた椅子に、…会いたい人が…


『……ぇ。』



「はぁ…、いつまでやるの?…変なコだねぇ。」


玲於はゆっくり私の足元にしゃがみこむと、

お辞儀をした姿勢で固まる私を笑いながら

見上げて、嬉しそうに優しく囁いた。


「…このパーティーだと思ったんだよね。
…当たったわ。」



私に手を伸ばすと頬を撫でる。



「…あ〜、あったけぇ。リアルAだ…、」




もうその声が消える頃には、


私から玲於に飛び付いて抱き締めてた。




「お迎えですよ、Aちゃん。」



クスクス笑う甘い声が鼓膜をくすぐった。


.

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しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時

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