彼の世界 4 ページ4
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"本日の公演は終了いたしました………"
会場内に流れ始めるアナウンス。
私達はそれを通路脇のベンチで聞いた。
アンコールの直前に愛ちゃんに手を引かれて
会場の席を後にしていたから。
そのまま帰ろうとしたんだけど、
私は熱が出た時みたいにフラフラになって
呼吸は整わないし、指先は震えたままだし…。
関係者の出入口へ向かう途中、
自販機のコーヒーで気持ちを静めようと
一旦休憩する事にした。
愛『…どうでしたか…? 惚れ直した?』
『ぁ…、どうかな…、圧倒、されて…。』
愛『…まぁ、そうだよね。
ちょっと戸惑うよね。自分に納得させるの、
私でも…少し時間かかった。…でも、
…あの姿も…ちゃんとAの玲於だよ。』
『…そうなのかな。』
あの場所が、彼が生きて行く場所。
彼に似合い過ぎて、私には…眩しくて。
素敵だったよ…。でも、何故か胸が軋んで…。
愛『…まぁ、でも隼の方がカッコいいよね。
…何てったって、脱がないから!』
『は!いや、違う、いや、違わないってか、
脱ぐとか関係ないでしょっ!』
私達はお互いの大切な人の話をして、
笑って少しずつ気持ちをクールダウンさせた。
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「「いたっ!」」
「「あ、あれだ!」」
通路の奥からガヤガヤと賑やかな声がする。
目を向けると、さっき隣に居た男の子達。
愛『あ!さっきの子達が帰るみたい!
ほら、A、急ごう!』
『う、うん!』
愛ちゃんに促されて私も急いで立ち上がった。
早足で歩き出した私達だったけど、
あっという間に行き先を塞がれた。
?「…あのっ!」
愛『…あゎゎ…』
『…ひゃっ…』
通せんぼの姿勢で私達の前に立ったのは、
玲於みたいに真っ白な肌の男の子。
…真っ赤な顔をして、
"すんません"って言いながら
申し訳ないくらい頭をペコペコ下げている。
?「あ、あの、まだ…帰らないで、ください!」
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しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時