彼のために 6 ページ26
＿父と水いらずの暮らしが
ひと月半、経とうとしている。
マンションには時折荷物を取りに戻るだけ。
自分のベッドでは眠らずすぐに実家に帰る。
そうして欲しいと私に言ったのは玲於だ。
ふたりの居場所と身重な母を、守る為に…
高校卒業後、あまり帰る事の無かった実家。
父「…気楽に、やろうな！」
想像以上に父は私の帰宅を喜んでくれた。
私の父は、
いつも穏やかに微笑んでいて、…、…、
……ん？
この時初めて、
父の事をあまり知らなかった事に気付いた。
二人きりの生活の中、まじまじと向き合う。
同じ癖を見つけてDNAの不思議を感じたり、
父が今更玲於との事を詮索してきたりすると、
嬉しかったり、可笑しかったり…
ピリピリしていた心が少しずつ癒された。
私と父にとっては良い機会だったと思う。
より深く心を開けるようになったから。
父「…もう、ずーっといて欲しいなぁ…」
『ふふ、楽しいけど、ずっとは嫌。』
父「…即答だね。」
毎日繰り返す会話からもぎこちなさは消えた。
…コレと言って不都合はない毎日。
欠けているのは玲於のぬくもりだけ。
.
.
マネ「…佐野にも納得させましたが、
GENEがワールドツアーに出発するまで、
ご自宅に戻るのは控えてください…。
不自由をお掛けして申し訳なく思います、
ただ、危ないファンも増えてますから…」
母『…そんなに危ないですか？』
マネ「このご時世、と言いますか…、
ネットは拡散力が桁違いですから。
特定されたら守り切れるか分かりません。
…でも、飽きるのも早いのが救いです。GENERATIONSは新しい活動がかなり増えます、
次第に二人の噂も埋もれていくと思います。」
母『…およそ３ヶ月、ですね。…分かりました。
必ず守らせます。…いいね、カオル？』
二人の会話をどこか他人事みたいに聞いて、
私は人形みたいにコクンと頷いた。
母のカミナリが落ちた数日後、
わざわざ玲於の個人マネージャーさんが
私の撮影現場まで足を運んできてくださって
母と共に現状と今後の説明をしてくれた。
"危ないファン…"
そのキーワードがやけに心に残った。
.
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しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな？と思ってます！ (2021年10月25日 4時) (
レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ！やっぱり何度読ませて頂いても泣ける｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡本当に好きです！ (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ！楽しみましょう！続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは！"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁ | 作成日時：2018年1月11日 22時
