検索窓
今日:21 hit、昨日:21 hit、合計:207,789 hit

きっかけ 4 ページ14

慎「…あれ?柏木さん、
もう帰っちゃったんですか?
僕、呼びに来たのに…。」



ふと、声のした方に顔を上げると

たくさんドリンクが置かれたお盆を持って

長谷川君が私の事を覗き込んでいた。



『…わ!』


思いがけない近距離に驚いて小さく声が出た。



慎「あ!すみませんっ!驚かせるつもり
なかったんですけど、すみません…!」



お盆のドリンクをカチャカチャ当てながら

長谷川君がペコペコ頭を下げる。


『やや、ごめんね!私がちょっと驚き過ぎた。
あ〜、ドリンク溢れるから、動かないで!』


慎「あ!本当だ!ヤバい!」



私達は二人でクスクス笑い出す。



『気付いてなかったの?少し溢れてるよ。』


慎「全っ然、気付いてませんでした。ハハ。
僕、ヤバいですね。
……あの、良かったら、僕らの席に来ませんか?
もちろん、玲於さんに誓って、変な下心とか、
絶対に、絶対に無いですから!
でも、みんなお話してみたいって言ってて…」



『…あ〜、』



妬かれたら後がなぁ…。



チラッと玲於の方に視線を送った。


けど、…なに、あれ。


スタッフさんか、ダンサーさんか…、

とにかくよく分からない女性と話し込んで

ヘラッヘラしてる…。


腕なんか、触られちゃってるけど。


しかもその女の人、私に向かって密着してる事

アピールしてるけどね。



もう一回、言わせてもらうけど、

…なに?…あれ…。


ハハハ。心の中で笑お…。



『……いいよ。』


長谷川君に向き直って微笑んだ。


『折角だから、お邪魔します。』


慎「やった!」



カオルさんこっち、あのさ、カオルさんって

…あっちこっちから明るい声。


元気な男の子?男の人?達のパワーは凄いな…。


楽しいですよ、大丈夫です。


愛想笑いも慣れたものだし

皆さん素敵な人達ばかりだし

質問への返事だってテキスト通りだし。


表面上はきちんと対応出来てるはずだけど

実際は長い一日にもそろそろ疲れて

気力も体力も限界が近い…。



そっと時計に視線を落とすと23時。


明日の事を考えると、もう帰らなきゃだし。


どうやって抜け出そう…。



ヘトヘトになった頭で考えていると、

ふわりと大好きな香りがした。



……玲於?


そっとその方向を見た。



?『あ…、』


『…。』

きっかけ 5→←きっかけ 3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (229 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
885人がお気に入り
設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。