君と繋いだ手の先へ part2【イナイレ】 (ページ3)

今日:32 hit、昨日:42 hit、合計:15,137 hit

・ページ3

晩ご飯も食べ終え、試合の前日だと言う事で今日は早めに就寝する事に。
寝る準備も整えて後はベッドに入るだけ…そんな時だった。

「マークから電話だ」

枕元に置いていた携帯が画面に大好きな彼の名前を表示しながら、電子音と共に震え出す。
私は携帯を開くとすぐに通話ボタンを押した。

「はい、もしもし？」
『もしもし。夜遅くにすまない…今いいか？』
「大丈夫だよ。どうしたの？」

『明日のイナズマジャパンとオルフェウスの試合、見に行こうと思ってるんだ』

その話に私は今日の出来事を思い出す。
フィディオのチームが勝ったら、何か伝えたい事があるという彼との約束。
その事をマークに話すべきか一瞬悩んで、少しの間黙ってしまった。

『A？』
「！あ、ごめんね…！そっか、明日はマークも見に来てくれるんだ」

悩んだ挙句、今はまだ話さない事にした。
何でかは…よく分からないけれど。

『…ああ。ディランと一緒に見に行くよ。それで…試合後、時間があれば少しだけでも会わないか？』

予想していなかった提案で携帯を持つ手にキュッと力が入る。
それと同時にストラップが嬉しそうに揺れた。

「え、いいの？」
『Aがよかったらだが…どうだ？』
「そんなの、会いたいに決まってるよ…！」

この大会もそろそろ終わりに近づいてきたこの頃。
お互いの国に帰らなくてはならなくなってしまう前に会える機会があるのなら、会わない理由なんていうのはまず無い。
マークとは前に早朝に会ったあの日から、早朝に少しだけ会うのが日課になっている。
今朝も彼とは会ったばかりだけど、欲を言えばもっと会いたいのが本音。

だから明日も試合後に会えるとなると、それだけでもう気分が高揚するんだ。

『良かった。明日、楽しみにしてる。頑張れよ』
「うん！ありがとう」

最後におやすみの挨拶を交わし合ってから通話終了ボタンを押した後、胸の前で携帯を握り締める。
明日の試合にフィディオとの約束…それからマークと会える事。
頭の中は明日の事でいっぱいだ。

一体どんな日になるのかな…

不安と期待を胸に、灯りの消えた部屋で私は静かに目を閉じた。