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「おお、似合う似合う！やっぱAは何付けてもかわええなー！」
「おい、A嫌がってるだろ？ごめんな、リカが無理矢理…」
「ううん、大丈夫。そろそろ返すね…って、あれ……」
リカちゃんに腕輪を返すために外そうとした。
…が、こちらも同じように取れなくなってしまったのだ。
いくら力を入れて取ろうとしても、ビクともしない。
「Aまでか！？あのオッサン、とっ捕まえて文句言ってやる！」
「何が伝承の鍵だよ！とんだ不良品じゃん！」
「待って。今何て言ったの？」
そこへ夏未ちゃんが慌てたように走ってくる。
どうやらリカちゃん達はこの腕輪を伝承の鍵とか何とかって言われてもらったらしい。
しかもライオコット島に伝わる魔王伝説に関わりがあるかもしれない…と。
それから練習は一時中断して、ミーティングルームで夏未ちゃんから魔王伝説の説明を聞く事に。
天界と魔界の民が何らかの儀式のためにこの腕輪を使ったのではないか、と言い伝えられているみたいだけど…
「まあ、そんなに気にする事もないんとちゃうかー？別に害があるわけちゃうし」
「あのなぁ…リカはそうでも、Aは気にするかもしれないだろ？」
塔子ちゃんが気の毒そうに私を見たけれど、私は笑って首を横に振る。
正直、ちょっとは気になるけど…本当にただの腕輪かもしれないし。
ずっと気にしていても良くないもんね。
「私もそんなに気にしてないから、平気だよ」
「ほらなぁ？その腕輪付けとった方がもっとかわええんやから！それに人間が作ったモンやったら外せるに決まっとるやん。これ常識！な？春奈もそう思うやろ？」
「そうですね、そのうち外れますよ！いいじゃないですか、こういうのカッコよくて！」
リカちゃんから肩に手を置かれた春奈ちゃんも、全く気にしていない様子で笑う。
この二人はちょっと気にしなさ過ぎる気もするけど…
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
