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次の日…
円堂君が彼のお祖父さんが残した最後のノートを持って帰ってきた。
そのノートが意味するのは“心”の強さを表す11の言葉。
これがみんなにどんな力を与えてくれるのかは分からないけれど、言葉通りの強さをこれからきっと身につけていくはずだ。
その後、今日もグラウンドで練習に励んでいた時だった。
「「バタフライドリーム！」」
綱海君が明後日の方向にボールを蹴った先に突然現れた二人の影。
見覚えのある必殺シュートがその二人から繰り出され、ボールが円堂君の方へと向かっていく。
「塔子！リ…ぐわっ！」
二人の名前を言い終わる前に、ボールを顔面で受けてしまった円堂君。
おかげで彼は伸びてしまいベンチで休ませる事に。
私はベンチに横たわる円堂君に濡れタオルを被せて、みんなに囲まれる彼女達…塔子ちゃんとリカちゃんの方を見た。
どうやらサポーターとして応援に来てくれたらしい。
相変わらず元気いっぱいな彼女達にこちらも自然と笑顔になっていく。
「あら？それは？」
「ああ、これか？タダでもろたんや！塔子も持ってんねんで」
リカちゃんは左腕に白い腕輪をしていた。
塔子ちゃんも鞄からその腕輪と対になっているような黒い腕輪を取り出す。
どうやら塔子ちゃんと秋ちゃんは好みではないみたいだけど…
「私はこれ、カッコいいと思うけどな…」
そう言って黒い腕輪をはめたのは春奈ちゃん。
彼女の腕にピッタリとはまったその腕輪は、一瞬怪しく光ったような気がした。
「ね、A先輩！付けてみます？」
「え？私も…？」
春奈ちゃんが私にもはめるよう勧めてくれたけれど…
「…あれ？」
「どうしたの？」
「取れないんです…」
困ったようにそう言う彼女に驚いた。
簡単にはめられた腕輪が外せなくなるなんて、そんな事ありえるのだろうか。
彼女の様子からして嘘を言っているようには到底思えないけれど…
「リカ、そっちは？」
「うちは全然取れるけど…ほなら、Aはこっち付けてみい！」
「ちょ、リカちゃん…！？」
リカちゃんがしていた腕輪を半ば強引に左腕に付けられる。
その瞬間、春奈ちゃんの時と同じように光った気がして…
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年8月23日 16時
