置いて行かんとって ページ27
・
翔吾side
翔「………………は、？」
怒涛の五日間を走り抜け、
ご飯を作って待ってくれているだろうから
今日は真っ直ぐ帰ってきたのに。
見慣れた玄関のすぐ横にある靴箱の中に
Aの靴が１つも無くて、
いつもならここから見えるリビングの光が見えなくて、
あまりにも静かすぎるこの家は、
本当に自分の家なのかと疑ってしまうほど
静かで、無機質で、怖く感じた。
未だ回らない頭で必死に部屋を歩き回っていると、
キラリと光った “何か” が目に入った。
恐る恐るテーブルの上を見に行くと、
そこにはAとお揃いで使っていたキーケースと、
告白した時に渡した指輪が置いてあった。
なんで。どうして。俺、行く前に何かした、？
翔「〜〜〜っ電話、せな、、A、」
何度掛け直しても繋がらない。
どれだけLINEを打っても、何も返ってこない。
いつもなら、3コールもしないうちに出てくれるのに。
いつもなら、遅くても3分ほどで返ってくるのに。
陸「 “ もしもーし、” 」
翔「 “っりくさ、A、っAが、りくさん、” 」
陸「 “ えっ？ちょ、落ち着いて？何があったの？” 」
翔「 “ Aがっ、居ないんです！俺っ、どうしたら、A、” 」
陸「 “ 翔吾、一旦落ち着こ？今から翔吾の家行くから、俺が行くまで家に居て。分かった？” 」
翔「 “ っでも、” 」
陸「 “ 大丈夫だから。絶対大丈夫。深呼吸して、ゆっくり息吐いて…そう。大丈夫。すぐそっち向かうね ” 」
震える手でどうにか陸さんに電話を掛けたら
すぐに出てくれて、今から家に向かってくれるらしい。
陸さんはいつだって俺に冷静さを取り戻させてくれる。
幸い陸さんの家は近いから本当にすぐ来てくれるだろう。
……一旦落ち着け、俺。
もしかしたらただ遊びに出掛けただけかもしれんやん。
失くしたくなくて指輪置いて行っただけかも？
合鍵やって、万が一落としたらヤバいから
それも置いて行っただけかもしれんし。
そうやって、ほんまに、落ち着け俺。
陸「っごめん、遅れた！」
翔「あ、陸さん、…と、やましょーさん、」
山「…なんこれ、なんでこんな、Aの荷物が無いんじゃ」
翔「分からないんです、29日の朝も、普通やったのに、こんな急に、なんで、っ、りくさ、」
陸「〜っ翔吾！一旦落ち着こう！！」
A、どこ行ったん。
俺を一人にせんといてや。
俺の事、置いて行かんとって。
・
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←今度は私が
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 332人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まぁむ(プロフ) - わーさん» 素敵なコメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ないです（ ; ; ）これからの二人の未来を見守っていてください♡ (2021年11月1日 15時) (
レス) id: c6d2895284 (このIDを非表示/違反報告)
わー - 心がギュッとなります。しょうご君と主ちゃんが幸せになりますように。💖更新楽しみに待っています！ (2021年10月29日 9時) (レス) @page18 id: 7104af556d (このIDを非表示/違反報告)
ユウコ(プロフ) - 最高。無理しない程度に頑張ってください。できるのを楽しみに待ってます。読んでって笑う。続きが気になります。 (2021年9月5日 22時) (レス) id: a2651f21f1 (このIDを非表示/違反報告)
まぁむ(プロフ) - ユウコさん» 素敵なコメントありがとうございます。これからも頑張ります！ (2021年9月5日 12時) (レス) id: b7e42ff26d (このIDを非表示/違反報告)
ユウコ(プロフ) - 読むの待ってます。できるのを楽しみに待ってます。最高すぎて、ハマってます。 (2021年8月29日 18時) (レス) id: a2651f21f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まぁむ | 作成日時：2021年8月28日 10時
