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お盆で実家に帰って来てても特にコレと言ってやることはない。
母はママ会という名の飲み会で連日忙しそうだし、
父は土日祝日もれなく仕事。
ちょっとちょっと。
私何しに実家に帰省してるのよ。
...って小さな悪態は心にしまいこむ。
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時刻は20時。
誰もいない実家でゴロゴロとテレビを見ながら、
夜ご飯どうしよう〜ってボヤっと考えた。
お腹は空いてるけど動く気になれなくて結局そのままゴロゴロ続行!
仕事しないで実家でダラダラって最高〜...
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っは...今何時?!
いつの間にか寝ていたらしく時計を見ようと身体を半分起こすと、
サラっと毛布が落ちた。
...毛布?
自分でかけたんだっけ...?
...いやいや、かけてない。
しかもこれ冬物の毛布だから押入れから出さなきゃいけないもん。
じゃあ、なんで...?
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しかもさっきから気になっていたこの"美味しそうな匂い"。
お母さん帰ってきた?
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匂いを辿ってキッチンに行くと
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そこにいたのは
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「ただいまー。」
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「ワタちゃん?!」
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平然と他人の家のキッチンを使うワタちゃんだった。
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「ちょっと...え?なにしてんの?」
「何って、メシ作ってる」
「いやそういうことじゃなくて!どうやって入ったの!」
「鍵開きっぱなし。危ない。」
「...」
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本当に3年振り...なんだよね?
会話が普通すぎて頭が追いつかない。
何よりも3年振りに会ったワタちゃんは超がつくほど格好良くて。
それに比べて、私。
完全に部屋着ですっぴんで、超がつくほどだらしない。
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「そこにお土産置いといたからみんなで食べて。あ、あと宮田から福岡のお土産もらってさー、余ったからAにもあげるわ」
「ありがと...」
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あまりにも普通すぎて、何か気が抜ける。
私の連絡、ずっと返信くれなかったくせに。
俗に言う既読無視ってやつ、してたくせに。
なんか色んな感情がぐるぐるして、目の前のワタちゃんをちょっと睨む。
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「なに?その顔。」
「...だって久しぶりなのに、なんか、」
「はい、完成ー。何も食べてないんでしょ?」
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私の言葉を遮って、ワタちゃんがダイニングテーブルにテキパキと料理を並べる。
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「「いただきます」」
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3年振りに再会したことには全く触れず、ワタちゃんの料理を2人で囲んだ。
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作者名:コツメ | 作成日時:2019年6月10日 22時