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「お姉さん名前は?」
「A。あなたは?」
「宏光。みつって呼んで。」
「…みつ、ね。」
VIPのソファに隣同士で座って、みつが奢ってくれたキールロワイヤルに口をつける。
「なんで久々に来たの?こんなとこ。」
「おばさんがこんなとこ来ちゃ悪い?」
「はあ?おばさんって、Aちゃんいくつよ?」
「三十路手前ー。女子にこんなこと聞かないでよ」
「んだよ、全然若けーじゃん。俺三十超えてるよ?」
「うっそ?!」
信じられなくて、目の前のみつをもう一度見る。
くりくりのリスみたいな目につるつるのお肌。
まるで二十代前半のその容姿は年下を彷彿とさせていたというのに。
「驚きすぎだっつの(笑)」
「だって…私より年上なんだよね?」
「だからそー言ってんじゃん。Aちゃんだって可愛いよ?」
「…そうかな。みつはなんで今日ここ来たの?」
久々、だなんて絶対嘘だけど、聞いてみる。
「俺?あー…振られた(笑)」
「…振ら、…え?」
「昨日振られたんだよね、2年付き合ってた彼女にさー。原因は向こうの浮気なんだけど、振られたのは俺なの。マジで腹立たねえ?」
「…立つ!めっちゃ立つ!!腹立つ!!!」
「ちょ、どーした落ち着けって」
急にスイッチ入ってわんわん泣きだした私をよしよし、って慰めてくれるみつ。
VIPで女が泣き出すもんだから、フロアにいる人たちもチラチラこっち見てる。
「こっちの気も知らないで!振りたいのはこっちだっつーの!」
「…もしかしてAちゃんも?」
「昨日別れたの。彼の浮気が原因。でも振られたのは私。みつと一緒、意味わかんない。」
そこまで言ったら、目の前のみつがワハハって笑い出したから、きょとんとして彼を見た。
「んだそれ、運命っぽいじゃん!なんか元気出た。Aちゃんもおんなじ思いおんなじ時にしてたんだね?辛かったよな。」
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作者名:コツメ | 作成日時:2019年6月10日 22時