繋いだ手10

外だよ？！ ページ5

あなたside


真「A、楽しそうやな。」


あ「うん、すっごく楽しいよ？
　 だって見るものも何もかも、日本とは違うん
　 だもん。」


LAに来てから色んなところに連れて行ってくれる真司郎。


見るもの、触れるもの全てが私には新鮮で、それが楽しくて仕方がない。


今も街中を歩きながら、日本とは違う看板やショップに、ずっとキョロキョロしっぱなしで、そんな私を笑いながら見ている真司郎。


真「A、」


不意に名前を呼ばれて、横を振り向くと、顔が近付いてきて唇が重なった。


あ「し、真司郎、ここ、外だよ？！」


真「可愛かったから、したかったんやもん」


びっくりしたのと恥ずかしさで、つい声が大きくなる。


あ「恥ずかしいよ…///」


真「誰も俺らの事なんか見てへんって。」


あ「そんなこと、」


真「ほら見てみ？誰も俺らの事、気にしてへんや
　 ろ？」


言われてチラチラと周りを見るけれど、確かに誰も私達の事を見たりしていない。


それどころか…


真「こっちではみんなしてるし。」


近くのカップルは、それが当たり前のようにキスをしながら歩いていく。


人に注目してなかったから気付かなかったけど、よくよく見ていると、そこらじゅうでみんなキスしてる…。


日本では絶対とは言い切れないにしても、外で…なんてほとんど目にすることはない光景に、目を丸くしてしまう私。


真「な？」


あ「…うん、だけど、やっぱり恥ずかしいよ///」


すると、真司郎は繫いだ手を解くと、私の肩に腕を回して引き寄せたあと


真「Loveyou♡」


囁いてまた唇を奪われた。


しかもハートがついてた気がする…。


この旅行中思った事があるけれど、こっちいると真司郎は外国人みたい。


英語を話しているのももちろんあるけど、なんというか、振る舞い方？


今も、こうして平気で外でキスしてみたり、肩を抱き寄せてみたり、英語で囁いてみたり…。


こっちにはこっちの習慣とかがあるからなのかもしれないけれど、何というか、大胆。


…せっかくだし、私も真司郎と同じようにしてみようかな。


そう思った私は、真司郎の腰に腕を回して体を寄せた。


あ「真司郎、好きだよ///」


流石に英語では言えないから、そこはいつも通り囁いて、私からも口付けをすると、にっこり笑顔を向けてくれた真司郎。


たまにはこういうのも、いいかもしれない。


そのあとは肩を抱かれ、私は真司郎の腰に腕を回して再び歩き出した。

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