繋いだ手10

え？ ページ2

真司郎side


あ「真司郎、今日はどこに連れて行ってくれる
　 の？」


真「それは着いてからのお楽しみやな。」


昨日の夕方LAに着いた俺達は、軽く食事を摂ると、時差もあってすぐにベッドへ入り、今日は朝早くに起きた。


プランは全部俺任せだから、この1週間どこに行くかも、何をするのかも、Aには何も教えてない。


知らんほうが、より楽しめるやろうし。


そんな何も知らないAは、隣で瞳をキラキラさせて、わくわくとした顔をみせてくれる。


真「A、どこやと思う？」


あ「なに、クイズ？私何があるのかも知らない
　 し、何もわからないよ？」


わからんかー、て、Aは初めてのLAやもんな。


でも、お互いの恰好見たらわかりそうやけどな？


今日の俺達の格好はというと、俺は白Tにハーフパンツとスニーカー。


Aは同じく白Tにジーンズとスニーカーで、この旅行の為に買った、色違いのお揃いキャップ姿。


ポニーテールのAが、物凄く可愛い。


真「Aの好きなとこやで、」


あ「私の好きなとこ？んー…全然わかんない笑」


真「とりあえず、レンタカー借りに行こか笑」


こっちでは基本みんな車移動で、すぐに借りれるよう、ネット予約しておいた。


✻✻✻✻✻


スタッフ「Have a nice trip!」


真「Thank you! bye!」


無事に手続きを済ませると、鍵を受け取る。


真「ほな行こか。」


借りた車のところまでくると、いつものように助手席のドアを開けようと、右側のドアに手を掛けた。


すると、Aは左側のドアの方に歩いていく。


お互いに左右のドアの前に立ち、顔を見合わせて？マークを浮かべる。



真「え？」


あ「…え？」


真「いやあの、Aこっちやけど…。」


ドアから中をのぞき込んだAは、


あ「あ…そっか、左ハンドル…。」


気付いたみたいで、ぱっと顔を赤くしながら、恥ずかしそうに右側にくるA。


いやいや、俺いつもドア開けてあげてるし、気付くやろ！？なんて心の中で突っ込みながら、笑いがこみあげてくる。


真「はい、どうぞ笑」


あ「…ありがとうございます///」


とりあえず乗り込んで走り出したけど、笑いがおさまらない俺に


あ「もー真司郎笑いすぎ！ばかばか！」


なんて言いながらむくれた顔をしたAに、俺はまた笑ってしまった。


そしてこの旅行中、Aは何度か間違えることになるんやけど笑


まぁ、そんなとこも可愛いんやけどね。

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