イヤホンは知っている 【探偵チームｋｚ事件ノート】

黒木君の情報網 ページ43

土曜日、若武家の書斎にて。


若「黒木隊員が白糸遥に関する情報を入手した。黒木、どうぞ。」


この若武の話し方に文句を言う上杉君が黙って黒木君の方を見た。

ただならぬ緊張感。


黒「電話で伝えた通り、白糸遥は中1の時、秀明の理事長に金を請求していた。」

翼「だから、秀明生じゃないのに秀明にいたんだ…。」


翼の言葉にゆっくり頷く黒木君。


黒「金が無いから請求してたんだろうけど何故、理事長なのかは分からない。」

若「うむ、ご苦労だった。」


何故、チラシの裏に電話番号を書いたのか。


何故、遥さんは就職したのか。



全て、“お金が無いから”という理由で解決できる。



また一歩、遥さんの謎に、真実に近付いた気がした。


それは何故か自分が奈落の底に落ちていく感覚で、ゾクっとしたんだ。






若「何故理事長に金を請求したのか」

小「…難問、だね。」

忍「本人に聞けばよくね？」

上「電話番号、分かんねーだろ。」


上杉君の言葉に忍は目をパチクリ。

『何言ってんの、お前』とでも言っているよう。


忍「番号なら立花が知ってるだろ。」

翼「あの紙、まだ持ってる？」


私は首を縦にふる。

捨てるわけない、今日も持ってきた。


ホラ、と差し出された若武のスマホを受け取った。



震える手で番号をタップする。

皆、期待のこもった目をしてる。








『おかけになった電話番号は現在使われておりません。』

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