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でもそれも三日前、病院から一足先に戻る時に太輔から「持ち帰っちゃった荷物も全部またちゃんと持ってきてね。 あ、くまも忘れないでよ！残された俺の分身、ずっと寂しそうな顔してて可哀想なんだから」なんて、乙女脳全開の事を言われ思わず笑いが零れてしまったのは言うまでもない
そんな反応に案の定ムスッと一瞬で不機嫌になった太輔を見ては、昔のまだ無邪気に戯れてきていた幼かった頃を思い出して可愛いなと、懐かしんだ事も流石に口にはせず静かに飲み込んだ
「やっぱお前も、此奴と一緒の方が嬉しいんだろうな」
この場所に帰って来てすぐ、気付くとバンダナ以外のお揃いの物が増えていた
二匹の首元でキラッと光るペンダント
太輔と二人お揃いの物を身に付けるのは様々なリスクが伴うのと、そもそも俺がそういう事をするタイプではない
太輔はそれも分かった上で、互いの分身に身に付けさせる事で満足出来ているのだろうか
「…まぁ、家に居る時とか。アクセサリーなら別に良いんだけどな」
二人だけの時に誰にも内緒でお揃いの物を付ける
柄でも無いがそんなのも有りだな、なんて
考えてしまう自分が居るのも事実だ
「完全彼奴の思考に引っ張られてんな、これ」
果たして良い影響なのか悪い影響なのか
思わず零れた笑いで弧を描いた口元はそのままに、二匹のふわふわな頭を軽く撫で布団を抱えて寝室を後にする
この時には既に、太輔がくまの後ろに丸いリングが二つ入れられた小さな箱をこっそり置いていた事に当然俺はまだ気付く訳も無かった
布団を干し、洗ったシーツと枕カバーも干して風が心地良いベランダから外を眺める
今日も青空には太陽が高く昇り、暖かい陽射しが降り注いでいた
もう二度と戻れないと思っていた幸せ
それがまた今自分のすぐ傍に居てくれる
日々欠けていく月を見上げては完全に隠れてしまった時には、恐らく二人の関係も終わりを迎えるのだろうと
ずっとそんな不安が心の中にはあった
"ねぇ、知ってる？ 新月は終わりじゃなくて始まりなんだよ"
"…始まり？"
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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます！最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (
レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kurumi
| 作成日時：2022年8月4日 0時
