太陽と月の衝(望) ページ33
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「……はっ、……っ…」
「ゆっくりでいいから。 ゆっくり吸って、吐いて…、そう」
楽屋のほぼ中央に位置する大きめのソファ
はぁはぁと、苦しそうになんとか息を吸って吐くという当たり前の動作を通常に戻そうと荒い呼吸音を繰り返す太輔の隣に座り、そっと右手で背中を擦りながら優しく声を掛ける
空いてる左手は膝の上で両手に握られていた
「此処に水置いておくね」
「さんきゅ、横尾さん」
キャップも外しすぐに飲める状態のペットボトルが目の前のテーブルにそっと置かれた
塞がってる両手はそのままに、顔だけ一度横尾さんに向けてお礼を伝える
他の4人も楽屋内には居るものの、心配だからとあまり皆で囲むと逆に太輔が気疲れしてしまう
そんな此奴の繊細な性格を理解してか、一定の距離を保った上で見守ってくれていた
その優しさが今は一番有り難い
「気持ち悪い?吐きそう?」
「……っっ、」
最初よりは幾分か呼吸も落ち着いてきた気がする
本来ならば人の居る所でなんて、太輔は一番嫌がる事だけど今はそうも言っていられない
ビニール袋が必要かと聞けばゆっくり首が左右に振られた
俺の左手を握る力が僅かに強まる
「そっか、分かった。 水飲めるか?少しでいいから」
口がほぼ開きっぱなしの状態な為喉が乾燥して万が一痛めてしまうのが怖い
横尾さんが置いてくれたペットボトルを持たせ水分を取らせる
二、三度小さく喉が動いたのを確認し受け取ったペットボトルは再度テーブルへと戻す
後は横にでもなって暫く休ませるのが一番良いだろう
背中を摩っていた右手を腰の辺りまで移動させそのまま促せば、大人しく身体を横にした
頭は俺の太腿の上
本来なら「仮にも仕事の現場で何やってんだ」と怒られそうなものの、メンバーは誰もツッコミもしないし俺自身もこれで太輔が少しでも休めるならと、止めさせる気はない
「時間近付いたら起こすから。ギリギリまで寝てていいよ。 何か欲しい物あったら言えよ?」
小さくこくりと頷く頭
眩しそうにしてる目元には用意していた清潔なタオルを乗せてやり、更にその上から太輔のハットを被せればすっかり小さな顔は見えなくなる
微かな音で息を吐いたのが分かった
「…ひろ……、ごめん……」
「気にすんな。いいから休めって」
「ん……、」
きゅ、と握られる右手
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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます!最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年8月4日 0時