十六夜 ページ3
*
個人での仕事を終えレギュラー番組収録の為に来たテレビ局の楽屋前
中からは既に揃ってるメンバー達の声が聞こえる
(藤ヶ谷はもう居るかな…)
マスクの中で緩みそうな口元を引き締め、ドアを開けて中へと入った
「おはよう」
「あ、ミツおはよー!」
「おはよう、きたやん」
順に挨拶を交わす中、一番奥側のソファに並んで座ってる恋人と横尾さんの姿を見つける
向こうはこちらに背を向けてる状態
すぐ近くのテーブルに荷物を置き、椅子に腰を下ろしながら二人にも向けて挨拶をする
「おはよう、ミツ」
いつもと変わらない横尾さん
「…はよ、」
でもその隣の恋人は顔を向ける事もなく小さく言葉を零すのみ
「……?」
付き合う前も、付き合い始めてからも
楽屋では基本別々に過ごしていた
挨拶をする程度で、後は必要が無ければ二人での会話もほぼ無し
そんないつもと変わらない筈なのに、
こちらを向いてさえくれないそのほんの些細な違いが
少しばかり気になった
(疲れてるのか?ずっと忙しいみたいだし…)
本来であれば何も隠さず一番に甘えて欲しいと思う
恋人というのは、お互いにそれが出来る存在のはずだから
ただ、藤ヶ谷という人間は一度箍が外れるととことん甘い空気をダダ漏れにさせる一方、シャイで不器用な性格は時に素直になれずツンケンした側面も見せたりする
きっと今日はそんな日なんだろう
顔を見て挨拶を交わせないのは少し残念だけれど、無理に閉ざした扉をこじ開けようとする方がこういう時の藤ヶ谷には逆効果
隣には親友でもある横尾さんが居る
任せておけば安心だ
スタッフに呼ばれ、メイクの為に楽屋を一度後にする
横尾さんがチラッと、心配そうな顔でこちらを見ていた事なんて気付きもせずに
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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます!最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年8月4日 0時