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45、納得(花嬪視点) ページ46

倒れたのは心労だけじゃない。

妊娠が原因でもない。

診察を受けても、異常は見つからない。

わかりきっていること…

そんなことに構っている暇は私には無い。



「真咲、エミをすぐに連れて来て欲しいの」

「すぐに!?…わかりました」

真咲が退室した後、橙摩と雅を呼んだ。

「お呼びでしょうか、花嬪様」

「一つ、頼まれて欲しいことがあるの」

「なんでしょうか?」

「監視をして欲しいの。真咲にはバレないように」

『え…?』

私は二人に監視して欲しい相手、そして何故、
真咲には言えないのか嘘を混じえて説明した。

「そういう理由でしたら…承知いたしました」

「引き受けてくれて、ありがとう。
くれぐれも気をつけてね」

『はい、花嬪様』



二人が退室した後、すぐに亜弥とさくらを呼んだ。

『お呼びでしょうか、花嬪様』

「今後、私の体調などを誰にも報告しないで」

「えっ」

戸惑うのは仕方がない。

だから、きちんと納得させる必要がある。

「それは、一体どういう…」

「私の体調を理由に重臣たちが
何を言い出すかわからない。
私の体調のことは主治医と
あなたたち二人が知っていれば十分よ。
だから他に私の体調を伝えるときは
例え、父上であっても、問題がないと伝えて」

「右賛成様にもですか?」

「えぇ。あと、大妃様にもね。
誰が、どこで聞いているかわからないから」

二人は互いの顔を見合わせてから

『承知いたしました、花嬪様』

と、いつものように声を揃えて言った。

これである程度は防御できるけれど
完全とは程遠い…

すべて、上手くいくと良いのだけれど…

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作者名:空井 奏音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年1月2日 19時

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