38、問い詰め…(花嬪視点) ページ39
「真咲が私の本当の弟でないことが関係あるの?」
『っ!?!?』
この言葉で明らかに動揺した二人。
今まで、ふわっとしていたことに
はっきりと色が付いた瞬間だった。
「私が、このことを知らないとでも?」
「ふぁ、花嬪様、それは…」
「真咲が私の弟でないことと
大妃様が真咲を気にしていることは
繋がっているのでしょう?否定できる?」
「花嬪様…」
困っている。
二人そろって、ものすごく困っている。
でも、だからって、情けをかける暇は無い。
ここで、いろいろとはっきりさせなければ
私は私の身の振り方が定まらない。
そんな中途半端なままで、この子は守れない。
「二人に問題を出すわ。
これを答えれたら、手加減してあげる」
困惑している二人の表情から
少しずつ恐怖心が見えるようになってきた。
二人には申し訳ないけれど…
「月派の王妃には子ができない。
さて、それは、どうしてでしょう?」
「え…」
「私よりも前から大妃様に仕えているのだから
知らないはずないわよね?」
「それは、昔から、自然と、そうなっていて…」
「いいえ。違うわ。これは意図的なものよ」
戸惑う二人、お互い寄り添うように
私の目の前に座っている。
その様子から、自分の中にある一つの考えが
確信に変わっていく。
「月派の王妃にのみ、出されている薬は何?」
「花嬪様!」
「王族の妊婦ってね、時間に余裕があるの。
歴史書を三往復するぐらいにね」
妊娠してから、余計にやることがなくなって
暇を持て余していた。
その間に王族だけが入れる書庫へ行き、
気になるものを片っ端から読んだ。
その中に月派の王妃だけに出される薬があった。
名前が書いてあるだけで
どういったものか詳しく書かれていない。
今まで、誰も気に止めていなかったのは
私のように太陽派や月派の存在に
不信感を抱く人がいなかったのと、
きっと、ここは月派の人間は入れない。
人を選んで入ることを許しているんだと思う。
その証拠に、書庫には必要ない程の護衛がいた。
月派に見られては困るものが、ここにはある。
「花嬪様…」
「王妃様に話せないとしても、私には話せるわよね?」
二人は悩みに悩んだ末に、少しずつ話し始めた。
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