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37、本当の(花嬪視点) ページ38

「お呼びでしょうか、花嬪様」

父が部屋を出ていってから
すぐに、さくらと亜弥を呼んだ。

「父上が持ってきた、この手紙…
どういうことか説明してくれるわよね?」

父が置いていった手紙を見て
さくらと亜弥が一瞬、動揺した。

「何か不都合でもありましたでしょうか?」

「元は大妃様に仕えていたとしても
あなたたちの主人は私。
その私に黙って、このようなことをして良いと?」

「ですが、これは大妃様の…」

「大妃様を理由に私を冒涜するの?」

「いえ…そんなことは…」

さくらと亜弥も、自分の意思で行動したと言うよりは
大妃様たちの命令に逆らえず、
こういうことをしたことはわかっている。

でも、それを許していたら
私は、この王宮で自分の力で生き残れない。

呪い札や、王宮内での噂を考えれば、
私は私の権力を誇示し続けなければならない。

ここまで来ると、王様や王妃様のことを
信じていられるのも時間の問題だろう…

いつ信じていたものが敵になるか、わからない。

こうはなりたくなかったけど、しかたがない。

例え、王様や王妃様、大妃様であっても
私やお腹の子に危害を加える可能性があるなら
いつでも縁を切れるようにしておかないと…

この子を守れるのは私だけだ。

「今後、私のことを大妃様や父上に報告するときは
まずは私を通しなさい。知らないところで
私の情報が知られるのは不愉快よ」

「も、申し訳ございません、花嬪様…」

お説教は、これぐらいにしておいて
そろそろ本題に入ろうかしら…

「この件で二人は私に仮ができた。
その自覚は、あるわよね?」

『はい、花嬪様…』

「では私の質問に答えてもらおうかしら」

「なんなりと、お申し付けください」

これで誤魔化したり、事実を言わなければ、
私は二人との関係も考え直さなければならない。

だから慎重に、慎重に…

「大妃様は、ずいぶんと真咲を気にかけているようね」

「花嬪様が大切にされている弟君ですので…」

「本当に、それだけが理由かしら?」

「えっ…」

「他にも理由があるわよね?」

明らかに二人が動揺した。

やっぱり他にも理由があるのは確かね。

あまり言いたくはなかったけど…

「真咲が私の本当の弟でないことが関係あるの?」

『っ!?!?』

その反応は、私の言ったことが
的外れではなかったようね。

38、問い詰め…(花嬪視点)→←36、疑えない(花嬪視点)



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作者名:空井 奏音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年1月2日 19時

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