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36、疑えない(花嬪視点) ページ37

呪い札の一件があり、
翌日、朝早くに父が私の元へ来た。

昨日、泣いたせいで
少し目が腫れている気はするけど
父にバレることは無いだろう。

真咲や橙摩、雅たちだけでなく、
亜弥とさくらも外へだし、
父と二人だけにした。

何を口走るか、想像ができていたから…

「花嬪様、この件には必ず、王妃が関わっています。
どうか護衛を増やし、身の安全を」

やっぱり…

「父上、なんということを言うのですか。
今の言葉が誰かに聞かれていれば罰せられるのですよ?」

「ですが他に誰がいると言うのですか」

「それは真咲たちが調べています。
いずれ犯人も見つかることでしょう」

「花嬪様!これは命に関わることなのですよ?
もしも花嬪様に何かあれば…」

娘を思う親の気持ちも、
わからなくはないのだけれど…

だからといって、言って良いことと悪いことがある。

「心配してくださるのは嬉しいですが
私のことをいつも気遣ってくださる王妃様を
何の証拠も無く、疑うことなどできません」

「では、この事実を知っても同じことが言えますか?」

「え?」

そう言って差し出してきた手紙は
さくらが書いたものだった。

「父上、これは…」

「書かれている内容の通りです。王妃側の人間が
大妃様や花嬪様の周りを探っているのです」

「そんな…何かの間違いでは…」

「自分に仕える者の言うことが信じられませんか?」

そんなこと…

「花嬪様がいくら考えようと、これは事実です。
どんな理由であれ、王妃は花嬪様を信じていない。
これ以上の証拠が必要でしょうか?」

何も言い返せなくなった。

王妃様のことも信じたいし、
だからって、私に仕えてくれているさくらたちを
信じないなんてことはできない。

私はどうしたら…

「王様も王妃の手の上でしょう。
その証拠に花嬪様のお腹の子は
王女の場合の名前が決まっているとか。
花嬪様から王子は生まれないと言われているのと同じ」

「父上、被害妄想が過ぎます」

「これが私のみの妄想で済むでしょうか?
これが他の太陽派の人間が知れば
私と同じ考えが浮かぶと思いますよ。
特に、大妃様は黙っていないでしょう」

「そんな…」

このままでは、太陽と月の仲が
今よりも悪化してしまう。

そんなこと私だけでなく、王様も望んでいない。

なんとかしなければ…

「よくお考えください、花嬪様。
今や太陽派の長は王様ではなく花嬪様なのです。
そのことをお忘れなく」

それだけ言うと、父は部屋を出て行った。

37、本当の(花嬪視点)→←35、涙(真咲視点)



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作者名:空井 奏音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年1月2日 19時

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