33、誰が(花嬪視点) ページ34
王妃様と談笑中、
突然、カナエが入ってきて
信じ難いことを言われた。
｢それは本当なの？｣
｢はい！すでに捜査も始まっていると｣
｢そんな…｣
まさか、私を呪おうとする者がいるなんて…
｢とにかく花嬪様は医女の診察を受けてください！
王妃様は、王様の元へ！｣
｢わかった。
花嬪、ある程度のことがわかるまで
くれぐれも何もしないように｣
｢は、はい…｣
とにかく安静ということか…
わからなくはないし、正しい判断だと思うけれど
ソワソワして落ち着かない…
私だけなら良いけど、もし、この子に何かあったら…
私が不安に思う中、医女が来て診察を始めた。
緊張しているからか、自分の鼓動がうるさい。
これほど、王宮が
落ち着かない場所だとは思わなかった。
こんなに恐いとは思わなかった…
でも恐がっている暇はない。
私にできることを見つけないと…
医女たちの診察によれば
私にも、お腹の子にも問題は無いらしい。
｢良かった…｣
自分だけとなった部屋の中で
安堵の息が漏れた。
絶対に、この子を守らなくては…
でも、どうやって…？
そもそも誰が呪いの札を？
どこで手に入れ、
どこに札を隠し、
どういった経緯で、そんなことをしたのか…
首謀者は…？
王妃様ではなく、太陽派の私を狙うのだから
月派の人間…？
王妃様が、そんなことをするとは思えないけど
一番に疑われるのは王妃様よね…
王妃様側の人間がしたのか、
太陽派の人間が王妃様を陥れるためにしたのか…
そうなると怪しいのは大妃様？
もしかしたら王様側の人間も関与しているかも…
そうなると首謀者が絞りこめない。
一体、誰が…
34、子どもだから？(雅視点)→←32、とんでもないこと(怜視点)
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