32、とんでもないこと(怜視点) ページ33
王妃様が、花嬪様の元を訪れた理由。
もちろん、お見舞いもあるけど
本題は違う。
-数日前-
「それは本当なの?」
「はい。大妃様付きの見習い女官たちが
コソコソ話してるのを聞いたんですが
花嬪様と真咲は実の姉弟ではないそうです」
「では、何故、二人して双子だと…」
「どうも、そこには大妃様が関わっているとか」
王妃様に二人について調べるよう言われてから
時間はかかってしまったけれど
これは、まだまだ調べる価値がありそう…
「きっと、まだ隠していることがある…
でも、それを見習い女官たちが知るほど
軽いものではないと思う…
怜とカナエは大妃様付きの女官たちの動きを探って。
私は花嬪に探りを入れてみる」
『承知致しました』
こんなやりとりをしているなんて
大妃様はもちろん、花嬪様も知らないだろう。
これが事実なら、大事になるかもしれない。
花嬪様に確認しなければ、真意はわからないけど
そもそも花嬪様も、ご存知なのだろうか?
半端者が王族近くにいるなんて誰が許すだろう?
ここは、そういう世界。
遅かれ早かれ、思い知らされる。
「怜!」
息を切らして走ってきたのはカナエさん。
「どうしたんですか?そんなに慌てて…」
「一大事や!王妃様は!?花嬪様は!?」
「今、中で話していますよ?」
ものすごく慌てているらしく、
何が何だかわからない。
話が少しも見えない。
「怜は、すぐに医女を呼んで!
私は王妃様に説明を!」
「だから何があったんですか!」
って、半分苛立ちつつ聞くと
「花嬪様を呪う札が王宮内で見つかってん!」
とんでもないことを聞いてしまった。
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