君に触れたい (ページ14)

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14、健水視点ページ14

今日は俺と真咲とエミだけでバイト。

今までよりも緊張する…

コンコンっ

健水｢失礼しまーす…｣

全員、そーっと…彼女の部屋に入る。

彼女は車椅子に座って
庭からの風にあたりながら手紙を眺めていた。

紫織｢そんなに私が怖いですか？｣

エミ｢いや、緊張しているだけです…｣

紫織｢本当に面白い方々ですね｣

いつもの笑顔で言う彼女。

彼女の手には、いろんな国の言葉で書かれた手紙。

真咲｢…재미있는 분들이네요｣

エミ｢え、何？｣

真咲｢彼女の手紙に、そう書かれてて…｣

彼女は手に持っている手紙と
真咲のことを交互に見てから

紫織｢真咲さん、韓国語わかるんですか？｣

目をぱちくりさせて聞いた。

真咲｢日常会話ぐらいなら｣

紫織｢この手紙はヴィオレッタからで、
こうして日本語、フランス語、英語、韓国語と
一文ずつ変えて書いてあるんです。
日本語や英語以外を読めた人に出会うのは初めてです｣

いつも以上の笑顔で言う彼女。

これが本当の笑顔なんかな。

紫織｢でも、どうしましょう。
ヴィオレッタとの手紙が読まれてしまう｣

真咲｢そ、そんな失礼なことしませんよ！
ただ、さっきは久しぶりに韓国語を見たので
声に出したくなっただけで…｣

紫織｢うふふっ…本当に面白い方ですね｣

彼女の優しい笑顔。

今日は気持ちが穏やかな日なんかな。