5.切り離す ページ7
「ぼ、僕ぅ見たんです…見習い様が自分で傷つけているところを…ふ、ふぅえっ」
今にも目から涙が溢れそうな瞳で見習いさんの方を見て言った。ついさっきまで顔を歪ませていたとは思えないような。
「嘘よ!可哀想に!言わされているのね!貴方、短刀を利用してまで自分の立場が惜しいのかしら?!
最低ね!」
「ああ、五虎退、可哀想に…」
ニヤニヤとした顔つきで見習いがヒートアップする。同時に見習いさん側の刀剣達の軽蔑視も高まる。
「…チッ…」
五虎退が小さく舌打ちをした。ああ、そんな必死にならなくても大丈夫なのに……急かさないでよ。
私はゆっくりと頭を撫でて、落ちつかせた。そして、ゆっくりと溜息をつき言った。
『拉致があかないので、もうどちらかについた刀剣をそれぞれ連れていきましょう?この本丸もあげます。全て。』
「な、なんで貴方が仕切って……ま、まあそれでいいわ。ということは資材もなにもかも貰ってもいいんでしょう?」
私の仕切ったような言動に一瞬腹を立てたが、自分に貰える大きな利益を聞いて落ち着きを戻す。そして、やり返しのように挑発のようなことを審神者に言った。
『ええ、もちろん。それでは分けましょう?』
その後、中間地点にいた短刀らは一度味方についたこともあったため私側についた。それを長兄は許せず愚痴愚痴と私に言ってきたが流した。
「あんたいつまで私の刀剣を言霊で縛っているのよ?」
すっかりわたしの頭からそんなことは抜けてしまっていたが、それはできない。
『すいません。私も殺される前にやることをやらなくてはいけないので」
私は自分の中にある霊力を最大限まで引き出した。
血管という血管の巡りがどくどくと強くなり目眩がする。周りは何をやっているんだという顔で私を見つめる。最低限まで出し切り、隣の五虎退へ寄りかかるが身体が小さいので岩融に抱えられる。
「主……」
岩融が悲しそうな顔をして私を見る。こんな顔にさせたくはないのに…。
刀剣達と長い時間過ごしていると刀剣達の霊力が微妙ながらも審神者の霊力に混ざるのだ。
審神者はいま自分の霊力を"リセット"したのだ。
そして、薄くなった霊力のせいで言霊の縛りも弱くなる。
自分を殺そうとした刀剣達が自由になったのだ。
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あに芋 - 五虎退かわいい!!あとめっちゃ面白いです!!続きが気になります・・・ (2020年3月13日 23時) (レス) id: d6f2ad8f63 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 活発な五虎ちゃんも可愛いです!! (2019年4月20日 14時) (レス) id: 680cc78f50 (このIDを非表示/違反報告)
キリンの妖精キリンロング - ひゃーっ!こんな五虎退君も良いですね!審神者になりたい…( ˘ω˘ ) (2019年4月17日 22時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
キラザクラ - すみませんてっぱってました。気にしないでください。 (2018年9月11日 7時) (レス) id: 4bb936cede (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - キラザクラさん» ?一寸何を云おうとしてるのか分からないです。 (2018年9月5日 14時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午後のミル貝 | 作成日時:2018年8月17日 22時