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「はい、戻りましたよ」
黒咲が持ってきたのは一着の呉服だった。
オリバーのイメージカラーでもある黄緑色の呉服は和風っぽさもありながら、少しの遊び心を感じさせる。
オ「緑色の着物なんてあるんですね」
「えぇ、実はこれうちのとこで作った物なんですよ。いずれ商品化されるんですけどよかったら···試着してみます?」
オ「え、いいんですか!?」
>試着!?
>黄緑とか教授に合うやん!
>商品化されるのを一足早く試着は最高
黒咲はこの時点では売りつけようとは思っていない。
商品化の前には誰かしらが試着をして、感想を述べてもらうのが鉄則である。
「じゃあ一応シャツとズボンを脱いでもらって、これを羽織る形になったら教えてください。私外に出てるので」
オ「わかりました···」
>!?
>ほんと店長ってサラッととんでもないこと言うよな
>ちゃんも配慮してくれるの嬉しい
「もーいいかい?」
オ「あ、まだです!」
>かくれんぼかな?
>ねぇ可愛いんだけど!?¥6000
オ「出来ましたー!」
「じゃあ失礼します。あ、もう似合う」
オ「言うの早いなぁwww」
「じゃあ帯を持ってきたのでこれも付けていきますね。
少し手を挙げて貰って···ありがとうございます」
帯を持って素早く、かつ丁寧に着付けを済ませていく黒咲。
流石は呉服屋の店長と言ったところだろうか、無駄な動きがない。
オ「色が僕のイメージカラーなのがいいですね。着心地もいいですし」
「大体の呉服は絹とかを使ってるんですけど、これは別の素材ですから。あとこれ洗濯機で洗えるので」
オ「洗濯機OKなんですかこれ!?」
「えぇ、呉服のクリーニング面倒っていう人のためにそういう素材を使用してるんですよ。はい、出来ましたー!」
やはり高身長のオリバーにはどんな服も似合うのだろう。さながら舞台役者のように呉服を着こなしている。
そして綾鷹のCMに出てきそうなぐらい黄緑が似合う。
「あ、やっぱりオリバーさん黄緑似いますね。どうです?着心地とか何か改善点等があったら教えて欲しいんですけど···」
オ「···強いて言うなら、袂がもう少し長くてもいいかもしれないですね。腕を組んだ時に少し短いように思えました」
「なるほど···ありがとうございます!」
オリバーから貴重な意見を貰えたところでオーブンから音が鳴った。
そろそろ出来上がりだろう。
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mamoricco(プロフ) - シベリア送りにすんぞさん» そう言って貰えてとっても嬉しいです!これからもどんどん成長していく店長を見てください! (2022年10月2日 22時) (レス) id: c988de8f5d (このIDを非表示/違反報告)
シベリア送りにすんぞ(プロフ) - 続編ありがとうございます🎉いつも読んでいて、語彙力が凄く、それに話の作り込みがとても素敵で面白いです!更新頻度速いですが、気温も低くなってくるので御体も気を付けてください🙌応援してます!長文失礼しました! (2022年10月2日 21時) (レス) id: 2d0c104609 (このIDを非表示/違反報告)
mamoricco(プロフ) - 舞夢さん» 失礼致しました。フラグ、外させていただきました。 (2022年10月2日 1時) (レス) id: c988de8f5d (このIDを非表示/違反報告)
舞夢 - オリフラ立ってますよ (2022年10月2日 1時) (レス) id: 39006a8225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mc | 作成日時:2022年10月1日 23時