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そっからはもう、私にはついていけない。
どうすればかっこよく見えるか、リアルに見えるか。スピードの緩急のつけかた、ギリギリの見せ方などなど…
簡単に言えば、殺陣に見せず、「戦」に見せる戦いかたを教えていた。
気づけば14時。そろそろお昼だな…由紀乃はスイッチ入ったら止まらんから、私が止めないと。
A「はい一旦そこまでー!!」
吉「待ってA、いまいいとこ!」
A「待たん!いいとこなんて永遠に終わらんやろ。ほら、ごはん作るから」
吉「ごはん!」
そう。
こいつは
ごはんに弱い。
A「だてさん、めめくん、タオルです」
宮「ありがとう」
目「久しぶりにこんなに汗かいた…」
A「緊迫感がちがうからね、汗もかくよ」
吉「ねぇA〜ごはん〜」
A「はいはい、台所貸して」
吉「存分に使って!」
家政婦さんをお願いしているこの家は、食材がないという心配はないから。冷蔵庫の中のものを元に、作らせていただく。
由紀乃は成績がすごくよかったけど、調理とかそういう系は私の方が強かったんだよな。
ごはんは既に炊いたものがあったから…簡単なお総菜と汁物を作って持っていくと、居間には話し込む3人の姿。手元には…
A「は!?なにみせとん!?」
吉「高校の頃の写真」
A「やめい。ご飯やらんぞ」
吉「やめます」
目「あっ…」
宮「もう少し見たかったのに」
A「だめです。ほら、ごはん」
吉「たべさせてー」
A「あーもーしゃーないな!ほら、口あけろ!」
吉「あー…」
写真を取り上げて、だてさんとめめくんにご飯をお出しして。私は由紀乃に餌付けする。
餌付けだわほんと、雛鳥か!
目「なんか…いい関係っすね」
宮「姫が面倒見がいい理由がわかった気がするよ」
A「よくないです」
吉「おいしーぃ」
.
15時になったら稽古再開。すぐ動けるように、量は少な目にしといたからね。
…由紀乃は腹一杯食べてたけど…すぐ動けるよね、こいつはね。さすがだね。
吉「じゃあ最後は、私がつけた型で1本やりましょっかー」
目宮「お願いします!」
おお、本番同様ってやつやな。これは撮りごたえがありそうや…本気の顔してるし。
おお、これは…華やかやけどガチっぽい…すご…
吉「んじゃ自主練30分ね」
目宮「「はい!!」」
2人のやる気も十分。これは期待できるぞ!
吉「Aー待ってる間に1本戦おうー」
A「はい?」
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作者名:まめ | 作成日時:2023年2月2日 6時