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○. ページ48

そっからはもう、私にはついていけない。

どうすればかっこよく見えるか、リアルに見えるか。スピードの緩急のつけかた、ギリギリの見せ方などなど…
簡単に言えば、殺陣に見せず、「戦」に見せる戦いかたを教えていた。

気づけば14時。そろそろお昼だな…由紀乃はスイッチ入ったら止まらんから、私が止めないと。




A「はい一旦そこまでー!!」

吉「待ってA、いまいいとこ!」

A「待たん!いいとこなんて永遠に終わらんやろ。ほら、ごはん作るから」

吉「ごはん!」




そう。
こいつは
ごはんに弱い。




A「だてさん、めめくん、タオルです」

宮「ありがとう」

目「久しぶりにこんなに汗かいた…」

A「緊迫感がちがうからね、汗もかくよ」

吉「ねぇA〜ごはん〜」

A「はいはい、台所貸して」

吉「存分に使って!」




家政婦さんをお願いしているこの家は、食材がないという心配はないから。冷蔵庫の中のものを元に、作らせていただく。
由紀乃は成績がすごくよかったけど、調理とかそういう系は私の方が強かったんだよな。

ごはんは既に炊いたものがあったから…簡単なお総菜と汁物を作って持っていくと、居間には話し込む3人の姿。手元には…




A「は!?なにみせとん!?」

吉「高校の頃の写真」

A「やめい。ご飯やらんぞ」

吉「やめます」

目「あっ…」

宮「もう少し見たかったのに」

A「だめです。ほら、ごはん」

吉「たべさせてー」

A「あーもーしゃーないな!ほら、口あけろ!」

吉「あー…」




写真を取り上げて、だてさんとめめくんにご飯をお出しして。私は由紀乃に餌付けする。
餌付けだわほんと、雛鳥か!




目「なんか…いい関係っすね」

宮「姫が面倒見がいい理由がわかった気がするよ」

A「よくないです」

吉「おいしーぃ」




.





15時になったら稽古再開。すぐ動けるように、量は少な目にしといたからね。
…由紀乃は腹一杯食べてたけど…すぐ動けるよね、こいつはね。さすがだね。



吉「じゃあ最後は、私がつけた型で1本やりましょっかー」

目宮「お願いします!」




おお、本番同様ってやつやな。これは撮りごたえがありそうや…本気の顔してるし。
おお、これは…華やかやけどガチっぽい…すご…




吉「んじゃ自主練30分ね」

目宮「「はい!!」」




2人のやる気も十分。これは期待できるぞ!




吉「Aー待ってる間に1本戦おうー」

A「はい?」

○.→←○.



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作者名:まめ | 作成日時:2023年2月2日 6時

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