◯(渡辺side) ページ20
A「あっ……ごめんなさい…」
佐「…んにゃ、いーよ。ぎゅーする？」
A「……大丈夫、です」
佐「…そか。けど俺がしたいから、ぎゅーする。」
なんで、俺にはあれができないんだろう。
なんか突っかかっちゃうんだよな…ほんとは、俺だって…
けど、楠が頼るのはいつだって佐久間で。
あいつが握るのは、佐久間の服で。
俺じゃ、ない。
くそ
.
渡「…はいそこまでー！！なぁなんか飲み物だせよ」
A「あっ…そうですよね、しまった…すぐだします」
佐久間からぱっと離れてキッチンに駆けていく。
ちげぇのに。こんな事言いたいんじゃ…
佐「はぁ…しょった、だめだめだね」
渡「うるせ。」
阿「ねぇ俺の存在忘れてない？２人でバチバチしないでよ」
渡「してねぇよ」
佐「さ、お茶手伝ってこよーっと」
渡「あっ…」
楠の後を追いかける佐久間を、止める言葉はみつからなかった。
佐「ねぇ、みんなお腹空いてるー？俺はすいてるー！」
阿「なに突然笑」
佐「Aちゃんが、ご飯作りすぎたから食べてかない？ってさー！」
阿「えっ！食べたい！翔太も頂くでしょ？」
渡「あっ…ああ、もちろん…」
阿「翔太も食べたいって！」
佐「だって、Aちゃん、みんなでいただきたーい！」
A「あっ…はい、有難うございます」
ほわ、と安心したように楠が笑う。
なんだよ、俺にはあんな顔しねぇじゃん。
けど。
今はそんなこと言ってらんねぇよな。
渡「どーせ暇だからバカみたいに作ったんだろ」
A「うるさい渡辺！食べさせないよ！」
渡「勝手に食う」
A「あっ、ちょ、何してんのもー！」
阿「お行儀悪いよ、翔太笑」
こいつが元気になるなら、なんでもいいや。
.
.
全「「「いただきまーす」」」
作りすぎた、というのは本当らしい。テーブルの上には色とりどりのお惣菜。やばいな、この品数…しかも…
渡「ぅわ！」
阿「でた笑」
佐「けどおいしー！こないだのふっかのがあってさ、俺Aちゃんのご飯食べたいってずっと思ってたんだよねー！」
A「ふふっ、よかったです笑 あの、よかったら持って帰ってください、どれか…」
阿「いいの！？俺あんま料理しないからめっちゃ嬉しい！翔太もでしょ？」
渡「まぁ…貰ってやるよ」
えっえっえっ持って帰れんの。えっ、まじか…
やば、うれし…
佐「んー！！うま！俺コレー！」
A「ふふっ、はぁい」
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作者名：まめ
| 作成日時：2023年2月2日 6時
